SDGs 目標7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに

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SDGsの17の目標と169のターゲット

SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。

17の目標と169のターゲットについて子供にも理解しやすいようにまとめて、ぞれのターゲットについて考えていきたいと思います。

SDGs7

 

7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに

世界で電力を使えない人は8億4000万人です。

電気やガスなどわたしたちの生活に欠かせないエネルギー。しかし,世界ではいまだに約8.4億人が電気を利用できずにいます。※1

電気が使えないいきでは,まきや炭をやして,料理をしたりだんぼうに使ったりしています。その数は約30億人。けむりよごれた空気で健康をそこなうことにもなります。また,まずしい人々は,夜でも明かりを使うことができず,仕事や勉強ができません。じようこくでは,外灯のあかりで勉強をする子どももいます。

出典:The Future is Now: Science for Achieving Sustainable Development ※PDFがダウンロードされます

目標7のターゲット

7-1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。

7-2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。

7-3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。

達成のため方法

7-a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。

7-b 2030年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギーサービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。

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目標7が必要な理由

それは安全でクリーンな電力エネルギーが無い為に、石炭、木炭、糞、薪といった有毒で環境や人体に害を及ぼす燃料を用いざるを得ない人たちが世界中に28億人以上。有毒な燃料の屋内使用によって亡くなっている人の数は年間400万人。というように人の健康に大きな被害が起きていること。
(参照:ユニセフ 170822 Why it Matters Goal 7 Clean Energy(EJ))

そして,有害な燃料は人の命に関わるだけでなく、温暖化の原因として地球の持続にとって深刻な問題になっているからです。

クリーンエネルギーとは、

クリーンエネルギーは、エネルギーを生成する際に温室効果ガスを排出しない、あるいは排出量が少なく、国内で生産できることから、重要な低炭素のエネルギー源です。

明確な定義こそないですが、いわゆる再生可能エネルギーのことを言います。

日本はこれまで海外の化石燃料資源に頼らざるを得ず、石油や液化天然ガスが乏しいことから、安定的な供給を行うため様々な政策を必要としています。

2017年の日本のエネルギー自給率は9.6%とOECD諸国の中では低い水準であり、国際情勢の影響を受けると安定してエネルギーを確保することが難しくなるケースも有ります。

さらに日本のエネルギー源の大部分を占め、化石燃料に依存する火力発電は、二酸化炭素などの温室効果ガスを多く排出するため、地球温暖化の原因となります。

それを防ぐためにも国産のエネルギー源であり、温室効果ガスの排出を抑えられるクリーンエネルギーの開発および利用が重要となります。

(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「再生可能エネルギーとは」)
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「日本が抱えているエネルギー問題(前編)」,2019)

クリーンエネルギーの特徴や種類

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クリーンエネルギーの特徴は先述したように国内でも生産でき、温室効果ガスを出さない、あるいは排出量が少ないエネルギーであるということです。

現在は安定供給こそ難しいものもありますが、様々な研究が行われ、活用に向けた取り組みが行われているものや、すでに各所で利用されているものも見られます。

現在クリーンエネルギーとして利用されているものは以下のものがあります。太陽光発電風力発電水力発電地熱発電バイオマス

クリーンエネルギーの中に水素ガスや原子力発電を含むといった考えもあります。

水素ガスはエネルギー発生時に有害物質をほとんど出しません。原子力発電も二酸化炭素を排出しないため、どちらもクリーンであると言われています。

しかし水素ガスは原料となる水素を様々な資源から作ることはできる一方で、作るために多くのエネルギーを必要とするため、その過程で温室効果ガスが発生します。

また原子力発電は事故が起こった際に深刻な被害をもたらす可能性があり、その原料となる放射性物質の処理も問題となります。

このような観点から、この2つをクリーンかつ安全なエネルギーとするかは、さらなる技術的・社会的な課題の解決が必要と考えられています。

太陽光発電

太陽光発電は、その名の通り太陽光をエネルギー源としており、設置する地域に制限がなく、屋根や壁などの未利用スペースを活用できるため新たに用地を用意する必要がないなどの利点があります。

遠隔地の電源や非常用電源として用いることもできることから、近年着実に導入量が伸びており、導入実績ではドイツや中国とともに世界をリードしています。

ただし太陽が出ていないときには発電ができず、発電出力が気候条件に左右されることや、導入コストが高いと言う点が課題となっています。

風力発電

風のエネルギーを電気エネルギーに換えるのが風力発電です。

陸上だけでなく海上であっても風さえあれば発電でき、大規模な発電が可能であれば、火力発電並みのエネルギーを確保できる可能性があるとして注目されています。

高さや羽根により異なりますが、電気エネルギーに高効率で変換できることや、太陽光発電と違い夜間でも発電できるのも利点の一つです。

ただし風がなければ発電できないため、気候に左右されることや、発電コストが比較的高いこと、開発段階での調整コストなども高いことが課題となっています。

水力発電

日本は水資源に恵まれていることから、どのクリーンエネルギーよりも昔から使われているのがこの水力発電です。

国内で生産できる貴重なエネルギー源であり、自然条件によらず、一定量の電力を安定的に供給できます。

また一度発電所を作れば、数十年にわたる発電が可能で、二酸化炭素を排出しないため、環境にも優しいです。

何よりも歴史が長いため、技術やノウハウの蓄積は大きいものとなります。

ただしその設置には河川流況の長期間の調査が必要であり、開発初期のリスクが大きいことや環境への影響、水利権の調整などが不可欠となるのが課題です。

地熱発電

日本は火山帯に位置するため、その熱を利用した地熱発電も戦後から行われるようになりました。

発電量は少ないものの、昼夜問わず安定した発電ができる純国産エネルギーであり、化石
燃料のように枯渇することがありません。

また温室効果ガスが排出されないだけでなく、発電で使った高温の蒸気や熱水は農業用ハウスや魚の養殖、地域の暖房などに再利用することもできます。

しかし立地地区は公園や温泉などの施設が点在する地域と重なることが多く、地元関係者との調整や市民の理解を得る必要があります。

バイオマス

バイオマスは動植物から生まれた生物資源の総称になります。これを直接燃焼したりガス化したりして発電します。

未活用の廃棄物を燃料とするため、廃棄物の再利用や減少につながり、稲や林地残材や家畜排泄物、生ごみなどを活用することで農山漁村の活性化や地域環境の改善にもつながります。

その一方で発電に必要なバイオマスは相当数必要であり、資源となるものは広い地域に分散しているため、収集や運搬、管理にコストがかかることから小規模分散型の設備になりがちとなるという課題もあります。

(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「再生可能エネルギーとは」)
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「「水素エネルギー」は何がどのようにすごいのか?」,2018)

パリ協定とは?日本のエネルギー問題や政策について

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世界では十数年前から地球温暖化や気候変動が問題となっています。そのため1992年に国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が採択され、数年後には具体的な枠組として京都議定書が締結されました。

地球温暖化の主な原因は二酸化炭素などの温室効果ガスの排出であり、これらの削減を最大の目的として採択されたのがこの条約です。日本では温室効果ガスを多く排出するエネルギー源に頼らざるを得ない状況にあったため、深刻な問題とされています。

京都議定書では日本を含む先進国の温室効果ガスの排出抑制の数値義務などを課し、途上国とともに地球温暖化の防止のための取り組みを規定しました。

しかしアメリカが離脱したことや、先進国と途上国の間に公平性がないことなど疑問の声が挙がり、この枠組みは不完全な形で止まることとなりました。

それに変わる新しい枠組として生まれたのが、2015年に採択されたパリ協定です。

パリ協定

パリ協定は先進国と開発途上国に関係なく公平に地球温暖化や気候変動問題に取り組む協定であり、産業革命以前の平均気温上昇に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすることを長期目標に掲げています。

京都議定書と違い、途上国を含むすべての主要排出国が対象となっていることや、日本の提唱で採用されたボトムアップのアプローチが採用されている点が画期的であると評価されています。

このボトムアップのアプローチとは自主的な取り組みを促すアプローチの模索であり、協定合意に至るまでの国際交渉において日本が提唱してきた手法です。

これにより、トップダウン(上層部の意思決定を下部組織に指示する方法)で定められた排出削減目標ではなく、各国の削減・抑制目標を自国の情勢を織り込んで自主的に策定することが認められます。

日本のエネルギー政策

国連気候変動枠組条約、京都議定書、そしてパリ協定を受けて日本は様々なエネルギー政策を行ってきました。

これはそれまでの日本のエネルギー問題を解決する上でも必要であり、重点的に取り組みを行うことで、将来的起こり得るエネルギー問題とそのリスクを回避する狙いがありました。

(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「日本が抱えているエネルギー問題(前編)」,2019)日本のエネルギー問題

日本のエネルギー問題は先にも出てきたようにエネルギー自給率が低く、海外の石油や石炭、液化天然ガスに大きく依存しなければいけない点にあります。

自給率は2010年には20.3%あったものが、2017年には9.6%にまで落ちています。それでも2012年の6.7%からは回復したものの、世界的に見ても先進国の中では低い水準です。

そのため海外から化石燃料を輸入してエネルギー源とせざるを得ませんが、2011年以前は81.2%の依存度だったものが、2017年には87.4%にまで増加しています。

これは東日本大震災が起こったことにより、原子力発電所を停止せざるを得ず、火力発電の稼動が増加したことが原因の一つとされています。

また火力発電は温室効果ガスを多く排出することから、地球温暖化や気候変動の観点でも、国際的な取り組みに対しての足かせとなってしまいます。

このまま依存していけば化石燃料の枯渇や、国際情勢により燃料の安定的な輸入が困難になること、温室効果ガスの排出削減目標が未達成となる可能性など、日本が抱える将来的なエネルギー問題となっています。

日本の取り組み

エネルギー問題、そして地球温暖化問題などから、それまでの化石燃料に頼ったエネルギー政策から、クリーンエネルギー普及への取り組みへとシフトしています。

これは国際的な動きだけでなく、1973年に起きたオイルショックも一つの要因となっています。

この出来事により、石油に依存していた日本は大きな混乱を生じたことから、化石燃料に頼らない安定したエネルギー供給の模索が必要とされました。

翌年1974年から2000年までの国家プロジェクトとしてクリーンなエネルギーの活用技術の開発を目標とした「サンシャイン計画」がスタートしています。

この計画により太陽光発電の技術開発が始まりました。その後を追うように地熱発電や風力発電の技術開発、さらに環境保護を視野に入れた総合的な政策も行われるようになりました。

中でも太陽光発電は低コスト化と高効率化が進んだことにより、普及に向けた取り組みも進められるようになり、2000年代初頭には日本が世界の太陽電池の50%以上を供給する世界最大の生産拠点となりました。

また一般家庭での太陽光発電普及に際し、電力会社の自主的な取り組みとして、余剰電力の買い取りも行われたことで、太陽光発電設置の促進にもつながっています。

2011年に起こった東日本大震災をきっかけに急増した火力発電による二酸化炭素の排出の増加に関しても、2015年にはこれまでのエネルギー基本計画を見直し、長期エネルギー需給見通しであるエネルギーミックスを策定しています。

エネルギーミックスを実現していくためにも、省エネルギーやクリーンエネルギーをはじめとした関連制度を一体的に整備する必要があり、これらはエネルギー革新戦略として進められています。

クリーンエネルギーには課題があるものの、従来と同じ発電コストを実現できるようになっており、今後の発展が期待されています。地球温暖化や気候変動解決のため、1992年に国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が採択された日本のエネルギー自給率は2017年において9.6%であり、この数字は世界的に見て低い水準である日本のエネルギー政策には「サンシャイン計画」や「エネルギーミックス」がある

(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「今さら聞けない「パリ協定」,2017
(出典:経済産業省「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)とパリ協定の関係について」)
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「第3章 パリ協定を踏まえたエネルギー政策の変革」)

CO2(二酸化炭素)は燃料になる?

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温室効果ガスの主成分として問題視されている二酸化炭素ですが、最近の研究ではこの二酸化炭素を素材や燃料として再利用とすることができるようになり、削減に向けた活用が期待されています。

その方法が「カーボンリサイクル」と呼ばれるものであり、必要な技術開発が進められています。

カーボンリサイクル

カーボンリサイクルで現在も使われている一般的な方法は、二酸化炭素を素材としたドライアイスや溶接に直接利用する方法です。

利用できる二酸化炭素は限られていますが、それでも削減に貢献しています。

また、カーボンリサイクルは二酸化炭素を一つの資源と捉え、化学品や燃料、鉱物などに広く利用される技術です。

化学品で言えばポリカーボネートやウレタンなどの含酸素化合物、バイオマス由来化学品が挙がります。

また燃料ではジェット燃料やディーゼル、メタノールやエタノールなどのバイオ燃料、メタンなどのガス燃料にも利用できると考えられています。

将来的にはCO2(二酸化炭素)を再利用した製品が普及する可能性も

カーボンリサイクルは現在も研究開発が進められており、一部は製品となっています。

まだ課題も残っていますが、カーボンリサイクル技術のロードマップによれば、2030年ごろには製品として普及する可能性もあり、2050年以降には消費の拡大も見込まれています。

カーボンリサイクルが普及し、利用されるようになれば二酸化炭素の削減を大きく進めることも可能となります。最近の研究でこの二酸化炭素を素材や燃料として再利用とすることができるようになり、削減に向けた活用が期待されているカーボンリサイクルが普及すれば、温室効果ガスの削減につながるカーボンリサイクル技術のロードマップによれば、2030年ごろには製品として普及する可能性があり、2050年以降には消費の拡大が見込まれている

(出典:経済産業省 資源エネルギー庁「未来ではCO2が役に立つ?!「カーボンリサイクル」でCO2を資源に」,2019)

クリーンエネルギーは貧困を撲滅することにつながる

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クリーンエネルギーの普及は貧困や疾病をなくすことにもつながる可能性を秘めています。

クリーンエネルギーは化石燃料に頼らず、また低コスト化が実現できれば、用地や環境に左右されずに発電ができるため、すべての人が享受でき生活の発展が見込めると考えられています。

クリーンエネルギーは持続可能なエネルギーです。そのためクリーンエネルギー革命を行うことが、世界の貧困地域の人の生活を支えることができ、長期的な発展へとつながります。

そのための取り組みとして、各国は官民共同で世界のエネルギー効率や再生可能エネルギーの使用率を倍増させる目標に向けた努力を行っています。

(出典:国際連合広報センター「貧困撲滅のために、今こそクリーンエネルギー革命を」)クリーンエネルギーの革命は世界から貧困や疾病をなくすことにもつながるクリーンエネルギーの低コスト化が実現できれば、用地や環境に左右されずに発電ができるため、すべての人が享受でき生活の発展が見込まれているクリーンエネルギーは持続可能なエネルギーであるため、世界の貧困地域の人の生活を支えることができる

クリーンエネルギーは人類の発展に大きな影響を与える

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クリーンエネルギーは発展途上の発電ではありますが、将来性があり、エネルギー政策が必要な日本や、エネルギーを得られない貧困地域の人々の発展に影響を与えるものとして期待されています。

また現在問題となっている地球温暖化や気候変動へのリスクを抑えられる可能性もあることから、さらなる普及や技術発展が望まれます。

太陽光発電は私たちにも導入しやすいものとして身近な発電方法として検討することもできます。クリーンエネルギーの発展や、それに伴う影響など、今後も目が離せません。

「持続可能なクリーンエネルギーの普及を進める」

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