SDGs 目標4. 質の高い教育をみんなに

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 SDGsの17の目標と169のターゲット

SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。

17の目標と169のターゲットについて子供にも理解しやすいようにまとめて考えていきたいと思います。

質の高い教育をみんなに

すべての年代で、サハラ以南のアフリカ地域の子どもたちが、もっとも学校に通うチャンスが少なくなっています。小学校に通えない子ども5900万人のうち、3200万人はサハラ以南のアフリカ地域に暮らしています。これに続くのが南アジアです。南アジア地域で小学校に通えない子どもの数は1300万人にのぼります。

また、中学校や高等学校に進学できるチャンスも限られています。世界全体でみると、16%(25人中4人)が中学校に通えず、35%(20人中7人)は高校に通えません。

出典:New methodology shows that 258 million children, adolescents and youth are out of school, UNESCO Institute for Statistics, 2019

目標4のターゲット

4−1 2030年までに、男の子も女の子も、すべての子どもが、しっかり学ぶことのできる、公平で質の高い教育を無料で受け、小学校と中学校を卒業できるようにする。

4−2 2030年までに、すべての子どもが、幼稚園や保育園にかよったりして、小学校にあがるための準備ができるようにする。

4−3 2030年までに、すべての人が、男女の区別なく、無理なく払える費用で、技術や職業に関する教育や、大学をふくめた高等教育を受けられるようにする。

4−4 2030年までに、はたらきがいのある人間らしい仕事についたり、新しく会社をおこしたりできるように、仕事に関係する技術や能力をそなえた若者やおとなをたくさん増やす。

4−5 2030年までに、教育のなかでの男女の差別をなくす。障がいがあったり、先住民族だったり、特にきびしいくらしを強いられている子どもでも、あらゆる段階の教育や、職業訓練を受けることができるようにする。  

4−6 2030年までに、すべての若者や大半のおとなが、男女ともに、読み書きや計算ができるようにする。

4−7 2030年までに、教育を受けるすべての人が、持続可能な社会をつくっていくために必要な知識や技術を身につけられるようにする。そのために、たとえば、持続可能な社会をつくるための教育や、持続可能な生活のしかた、人権や男女の平等、平和や暴力を使わないこと、世界市民としての意識、さまざまな文化があることなどを理解できる教育をすすめる。

達成のため方法

4−a 子どものこと、障がいや男女の差などをよく考えて、学校の施設を作ったり、なおしたりし、すべての人に、安全で、暴力のない、だれも取り残されないような学習のための環境をとどける。

4-b 2020年までに、開発途上国、特に最も開発が遅れている国、島国やアフリカの国などの人が、先進国や他の国で、職業訓練、情報通信技術、科学技術のプログラムなどの高等教育を受けるための奨学金の数を世界的にたくさん増やす。

4-c 2030年までに、開発途上国、特に開発が遅れている国や島国で、学校の先生の研修のための国際協力などを通じて、知識や経験のある先生の数をたくさん増やす。

SDGs-image

なぜ、読み書きができない人たちがいるのか?

当たり前に質の高い義務教育を中学校卒業まで受けられる日本とは、どんな違いがあるのでしょうか?
国や地域によって様々に絡みあう要因はありますが、それには8つの主な理由がありました。

質の高い教育が受けられない8つの理由

①学校が近くにない

学校が近くになかったり遠すぎることで学校に通えない子どもたちがいます。

②先生がいない

日本では考えられないことですが、途上国には学校があっても先生がいなくて授業を受けられない子どもたちがいます先生がいない理由は、先生になる方法自体がなかくて先生になれなかったり、先生の給料を国が払えなかったりして先生が学校に来てくれないからです。

③お金がない

生きていくためで精一杯で、学校に通うお金がない子どもたちがいます。

④家計の為

途上国では貧しくて困っている家族のために、学校に行けずに働いている子どもたちがいます。

⑤兄弟の世話の為

保育園や幼稚園が整っていない国では、両親が働きに出ている間、小さな兄弟の面倒を上の兄弟がみなくてはいけないことがあります。

⑥親が行かさない

子どもを学校に通わせるくらいなら、働かせたほうがましだと考えている親や、女の子に教育は必要ないと考えている親がいます。

⑦病気の為

医療が遅れていたり、不衛生な暮らし、栄養不足といった環境で暮らす子どもたちは病気にかかりやすく、一度病気になると治療も満足に受けれなかったりして学校に通えなくなってしまいます。

⑧戦争

日本では想像もできないことですが、戦争や紛争のある国や地域で生活している子どもたちがいます。

(参照元:JICA地球広場https://www.jica.go.jp/hiroba/program/practice/education/ku57pq000006cqk3-att/2_1.pdfより)

日本の教育の課題

途上国に対し、日本では全ての子どもに学ぶ権利があり、全ての子ども達が学校へ通えるような制度や支援があります。

それでは、日本の教育の課題は何でしょうか。

文部科学省が発表している日本の課題はこちらです。

○ グローバル化や情報化、少子高齢化など社会の急激な変化に伴い、高度化・ 複雑化する諸課題への対応が必要となっており、学校教育において、求められる人材育成像の変化への対応が必要である。

○ これに伴い、21世紀を生き抜くための力を育成するため、これからの学校 は、基礎的・基本的な知識・技能の習得に加え、思考力・判断力・表現力等の育成や学習意欲の向上、多様な人間関係を結んでいく力や習慣の形成等を重視する必要がある。これらは、様々な言語活動や協働的な学習活動等を通じて効果的に育まれることに留意する必要がある。

○ 今後は、このような新たな学びを支える教員の養成と、学び続ける教員像の確立が求められている。

○ 一方、いじめ・不登校等への対応、特別支援教育の充実、ICTの活用など、諸課題への対応も必要となっている。

○ これらを踏まえ、教育委員会と大学との連携・協働により、教職生活全体を通じて学び続ける教員を継続的に支援するための一体的な改革を行う必要がある。

文部科学省 1.現状と課題より

このように日本にも教育の課題が沢山あります。

これらを解決するためにも、2020年から学習指導要領が変わり、小学校での英語教育やプログラミング教育が必須になったりと、文部科学省をはじめ様々な企業が子どもたちが新しい時代へ対応するための「生きる力」を育む教育が進められています。

日本における教育格差

松岡亮二氏著「教育格差」/ちくま新書では、様々な事例から両極端を比較して扇動的に問題を提起するのではなく、現実を理解し、意味のある対策の計画・実施を望んでいます。コロナ禍の昨今リアル授業が出来なくなった時にオンライン授業にも大きな格差がありました。

世界での教育格差と比較すると大きな格差の様に思われないかもしれませんが、今回一斉休校は日本の教育環境の後進性を浮き彫りにしました。

いまだに学校で1人1台のパソコンが配備されておらず、パソコンを自由に扱える環境ができていません。中国や韓国と比べてはるかに遅れていています。教育制度から経済社会への影響には、10年以上のタイムラグがあるように思われますので、現在の世界規模の生活習慣変更を上手く活用し、ボトムアップの施策を期待しています。

一部目次から読み取れる課題抜粋

第1章 終わらない教育格差

 親の学歴と子の学歴・出身地域による学歴格差・意識格差「大衆教育社会」から「階層化社会へ」・階層と「不利益な状況の打破」

第2章 幼児教育ー目に見えにくい格差の始まり

第3章 小学校ー不十分な格差縮小機能

第4章 中学校ー「選抜」前夜の教育格差

第5章 高校ー間接的に「生まれ」で隔離する制度

第6章 凡庸な教育格差社会

第7章 わたしたちはどのような社会を生きたいのか 

格差社会 ちくま新書 松岡亮二 目次

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