SDGs 目標10. 人や国の不平等をなくそう

目次

SDGsの17の目標と169のターゲット

SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。

17の目標と169のターゲットについて子供にも理解しやすいようにまとめて、ぞれのターゲットについて考えていきたいと思います。

人や国の不平等をなくそう

多くの国でかつてないほど格差が広がっています。2017年には、世界のもっとも豊かな1%の人が
世界全体の富の約33%を持っていました。

世界中で広がる格差

富と所得の格差が多くの国でかつてないほど拡大しています。2017年には世界人口のもっとも豊かな1%の人が持つ資産が世界全体の資産の約33%に相当し、もっとも貧しい25%の人が持つ資産の割合は10%にすぎませんでした。

もう少し分かりやすくしてみましょう。たとえば、世界を生徒40人の教室、世界全体の資産を40冊のノートとします。そうすると、以下のような割合でノートが配分されることになります。つまり、もっとも貧しい10人には4冊のノートしか配分されないことになります。

世界中で広がる格差

もっとも豊かな人のグループにはますます富が集まり、豊かな状況が固定化する傾向がある一方で、もっとも貧しい人たちのグループでは、子どもたちが量も質も不十分な食事しかとれなかったり、病気になっても病院にかかることができなかったり、学校に通うこともできなくなったりと、さまざまな困難に直面します。教育の機会を失えば、希望する仕事についてお金をかせぐことも難しくなり、貧しい生活からぬけ出せず、その人の子どもの世代にも苦しい生活が受け継がれてしまうことになります。

出典:国際連合 持続可能な開発に関するグローバル・レポート2019※PDFがダウンロードされます

目標10のターゲット

10-1 2030 年までに、各国の所得下位 40%の所得成長率について、国内平均を上回る数値を漸進的に達成し、持続させる。

10-2 2030 年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。

10-3 差別的な法律、政策及び慣行の撤廃、ならびに適切な関連法規、政策、行動の促進などを通じて、機会均等を確保し、成果の不平等を是正する。

10-4 税制、賃金、社会保障政策をはじめとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成する。

10-5 世界金融市場と金融機関に対する規制とモニタリングを改善し、こうした規制の実施を強化する。

10-6 地球規模の国際経済・金融制度の意思決定における開発途上国の参加や発言力を拡大させることにより、より効果的で信用力があり、説明責任のある正当な制度を実現する。

10-7 計画に基づき良く管理された移民政策の実施などを通じて、秩序のとれた、安全で規則的かつ責任ある移住や流動性を促進する。

達成のため方法

10-a 世界貿易機関(WTO)協定に従い、開発途上国、特に後発開発途上国に対する特別かつ異なる待遇の原則を実施する。

10-b 各国の国家計画やプログラムに従って、後発開発途上国、アフリカ諸国、小島嶼開発途上国及び内陸開発途上国を始めとする、ニーズが最も大きい国々への、政府開発援助(ODA)及び海外直接投資を含む資金の流入を促進する。

10-c 2030 年までに、移住労働者による送金コストを 3%未満に引き下げ、コストが 5%を越える送金経路を撤廃する。

不平等に伴う格差に対しての対策

国内の格差や国家間の不平等に伴う格差に対して様々な対策が行われています。

例えば国家間での対策としては「ODAや海外直接投資などを通じて、開発途上国への資金流入を促す」、「計画に基づきよく管理された移民政策を通じて、秩序のとれた移住や流動性を確保する」といった政策が行われています。

しかし、国家規模での対策だけではどうしても是正できない部分があります。それが個人の経済的な格差です。

これは国家間の不平等にも繋がりますが、開発途上国の多くでは生産した作物を不公平な価格で安く買われてしまうため不平等な労働を強いられ、貧困から抜け出すことができなくなっています。

このような問題を是正するための対策としてフェアトレードが世界的にも行われるようになってきました。

フェアトレードとは

フェアトレードは英語で「公平貿易」「公正取引」といった意味のフェアトレードです。「オルタナティブ・トレード」と呼ばれることも有ります。

食品から手作りの服、アクセサリー、カバンまでさまざまな製品を、生産者の労働や生産に見合った価格で、対等に取引しつづけることで、とくに開発途上国の生産者の労働条件や生活の向上をはかるものだ。歴史的に行われてきた発展途上国からの搾取をなくす取組です。

お金のある人や国がない人や国を支援する、というやり方では、支援する側の都合で終了する可能性が有り一過性になってしまう可能性も有ります。

正統な取引をとおして事業者としての関係性を築くことで、持続的な支援を行うことができますし、その地域の技術育成や継承が行われることで発展していきます。

日本のODA活動について、落合陽一氏著「2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望」で池上彰氏との対談で支援ではなく資金を貸し付けることで返す努力を行うことが支援の一貫であると述べていましたが、まさにその地域の発展に寄与する活動であると思います。

フェアトレードの基準

私たち消費者はどのようにフェアトレードを支援していくことができるでしょうか。国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade Labelling Organizations International)は、製品につけられる「国際フェアトレードラベル認証」の世界的な統一基準を定めています。

その対象商品には、コーヒー、バナナ、カカオ、綿花、砂糖、スポーツボール等があります。

買い物をするときにそのラベルがある製品をチェックして購入することで間接的に支援することになります。

まとめ

日本でのフェアトレードの認知率は50%以下でまだまだ知られていませんが、先日中学生の子供とSDGsやフェアトレードについて話したところ、学校で学んでいた様で、周りの大人達よりも情報を持っていました。

昔ある人の講演会で「お金なんか生活するだけあればそれ以上いらない」という人に、講師は「その方は動き方ややりたい事を知らないだけです。」と述べていた事が印象に残っています。

知らなければ何も考えず、行動も変化しないことであっても知ってしまえば、心が動くままに、行動が変化することも多くある様に思います。知ってしまったかぎり同じ商品を買うのであれば少し高くてもフェアトレード商品を買う行動もあると思います。

国際フェアトレード基準による製品

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次