SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。
今回は「SDGs 目標14.海の豊かさを守ろう」の一環でスタートしたレジ袋有料化は目的に合った効果があったのか多くの記事を紹介したいと思います。
賛否はありますが、スタートすることにより見える課題もありますし、環境が変化することもありますのでその辺りもお伝えできればと思います。
レジ袋有料化の背景とは
レジ袋は、全国で2020年7月1日に有料化されました。
2020年以前にも、19県のスーパー・コンビニエンスストアなどでは有料化されていましたが、全国的に有料化が義務付けられたことにより、対象の業種では現在レジ袋1枚あたり2~5円ほどで提供されています。
レジ袋の有料化が定められた背景には環境問題があります。レジ袋の材料であるプラスチックが、環境悪化の原因の一つになっているのです。
特に問題視されている海洋プラスチックは、環境汚染を引き起こし、海の生態系を壊すこともあります。
SDGs 目標14.海の豊かさを守ろうにおいてもプラスチックごみ袋やストローなどが問題視されています。
その他、人体にも悪影響をおよぼすといわれており、早急な対応が求められています。そのため、取り組むべき問題として世界共通で認識しており、さまざまな会合や会議で議論されています。
2018年には主要国首脳会議(G7)で、プラスチックごみがおよぼす各国の海洋汚染問題への対策を集約した「海洋プラスチック憲章」が採択されました。
そして、翌年のG20大阪・サミットでは、2050年までに追加的汚染をゼロにするための目標「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されています。
こうした流れを受け、日本も国際社会に後れをとらないよう取り組みが強化されています。
その取り組みの一つとして始まったのが、レジ袋の有料化です。
これによって、脱プラスチックへの姿勢を示そうとしています。
有料化の対象にならないレジ袋
すべてのレジ袋が有料化されているわけではありません。
現状、持ち手付きのプラスチック製買い物袋が対象で、以下の袋であれば対象外です。
- 紙袋
- 布袋
- 持ち手のないプラスチック袋
- 繰り返し使用できる、厚さ50マイクロメートル以上のもの
- 海洋生分解性プラスチックの配合率100%のもの
(微生物が海で分解できるため) - バイオマス素材の配合率が25%以上のもの
(焼却処分後に大気中の二酸化炭素量が増えず、温暖化対策になるため)
1年経過の効果
レジ袋有料化後コンビニでも、レジ袋を使わない人が増えています。
コンビニ各社がまとめた「レジ袋辞退率」、すなわち買い物をした人のうちレジ袋を購入しなかった人の割合は以下の通りです。
- セブンイレブン75%(8ヶ月間)
- ローソン75%(8ヶ月間)
- ファミリーマート77%(11ヶ月間)
日本フランチャイズチェーン協会によると、有料化が義務づけられる前のコンビニでの辞退率は25%程度だったので、この1年間で3倍程度に伸びたことがわかります。
ちなみに、セブンイレブンの発表によれば、8ヶ月間で約8000トンのレジ袋削減につながったといいます。
また、ドラッグストアチェーンのトモズは、1年間でレジ袋を約3600万枚削減(CO2排出量2200トン相当)したと発表しています。
この側面だけみるとごみ袋全体の需要が減ってめでたしめでたしですが、家庭での生ごみを廃棄するときなどに活用されていたレジ袋は2次的に活用されていた側面もあります。
レジ袋有料化の反動で無料でレジ袋をもらう機会が減った反面、レジ袋と似たような取っ手付きのポリ袋の売り上げが有料化前の2倍以上になっているという調査結果もあります。
有料化の効果検証
2013年における日本のプラスチック廃棄量は、年間9.4百万トンです。
これは全廃棄物(431百万トン)の、約2%に相当します。
2018年6月にUNEP(国連環境計画)が発表した報告書『シングルユースプラスチック』によると、日本のプラスチックごみ廃棄量は、一人あたり32キログラムに相当するとされています。
これはアメリカに次いで世界で2番目に多い量です。
さらに同報告書では、2014年の国・地域別のプラスチックごみ総合量ランキングで、1位中国、2位EU諸国、3位アメリカ、4位インド、そして日本は第5位という結果も示されています。
プラスチック廃棄量が多い事は否めませんが、その廃棄量のうちレジ袋はわずか2~3%です。
そして課題となっている海洋漂着ごみについても容量ベースで0.3%程度に過ぎません。
日本人のごみを無断投棄しない文化やごみ箱の数、オペレーションシステムによって、海洋環境に負荷をかけているレジ袋は全体からは僅かではあります。
したがって、レジ袋を削減したからといってプラごみの決定的な削減にはつながっていない事実もここにあります。
にもかかわらず有料化に踏み切った理由は、消費者一人ひとりの使い捨てプラに依存したライフスタイルの変革を促すことが「レジ袋有料化の狙い」という考え方もあります。
私たちの意識変化として今回の有料化でマイバッグを使っている人を街中で目にする機会は増えるようになりました。
環境省が行った意識調査によれば、レジ袋有料化をきっかけとして「ごみの分別を以前より行うようになった」「海の生き物への影響を気にするようになった」などと回答している人が多くなっています。
有料化により、飛躍的にプラごみが減ったわけでもありません意識変化に繋がったことは意味があるように思います。
それでもエコバックについてもう少し調べてみるとエコバッグは、プラスチック由来のものが少なくありません。
実際のところ、買い物の回数が50回未満の状態でエコバッグを廃棄した場合には、レジ袋を廃棄したときよりも環境負荷が大きいと発表している調査レポートもあります。
1つの行為だけでなく少しその辺りも意識変化できるようになっていけば、新たな需要や環境負荷の少ない製品開発につながる可能性も合うように思います。
オススメの環境に優しい袋
レジ袋は全てが有料化対象ではなく、環境に優しいものであれば対象外です。
何度も繰り返し使えるタイプであれば製造量を抑えられるので、環境に配慮した取り組みのアピールができます。
また、レジ袋を貰わずに自宅でその代用で袋を購入しているのであれば以下の袋のように環境負荷が少ない袋を購入する意識変化があればと思います。
レジ袋が有料化されていますが、テイクアウトのニーズも増えているため、お店側としてはお客様の利便性だけでなく環境にも配慮した袋を選択すること必要です。
バイオマス素材など、有料化対象外のものを店側が使えば環境負荷を減らせます。新しい袋をお客様に無料で提供でき、衛生面でも安心です。
また、必要に応じて繰り返し使える環境に優しいタイプも家庭で取り入れてみるのもいかがでしょうか。
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