SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。
今回は、環境省が2022年度に 創設する 「脱炭素官民ファンド」について紹介します。
総事業費で1000億円規模を目指す脱炭素官民ファンド
以下は11月30日の日経新聞の記事の抜粋です。
民間資金と合わせた総事業費で1000億円規模をめざす。
30年度までに温暖化ガス排出量を13年度比46%削減する目標に向けて、太陽光発電の導入や木材の燃料利用などに投資し、民間資金を呼び込みたい考えだ。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)などの試算では、50年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにするには世界で総額90兆ドル(約1京円)、日本国内で年8兆円の資金が必要とされる。
だが足元では再生可能エネルギーや省エネルギーといった脱炭素分野への国内投資は5兆円程度にとどまる。
経済産業省が20年度第3次補正予算で始めた10年間で総額2兆円を投じる「グリーンイノベーション基金」は蓄電池や水素といった次世代の脱炭素技術の研究開発・普及の支援に使途が限られている。
民間企業が既存技術を使って温暖化ガスの排出削減に取り組むプロジェクトにもリスクマネーを供給できるファンドを新設し、民間企業によるESG(環境・社会・企業統治)投融資の呼び水にする狙いだ。
国が保有するNTT株の配当金などを財源として民間事業に出資する「産業投資」の仕組みを活用し、株式会社を創設する。
ファンドを法的に位置付けるため、環境省は22年の通常国会に地球温暖化対策推進法改正案を提出する方針だ。
設置期間は50年度までの約30年で、温暖化ガスの排出を実質ゼロにする長期目標の達成に向けて民間の事業を後押しする。
財政投融資から200億円を投じるほか、温暖化対策に積極的な民間企業からも数十億円の出資を募る。
ファンドが出資を想定する脱炭素プロジェクトは幅広い分野を対象にする。
固定価格買い取り制度(FIT)を使わない自家消費型の太陽光発電、工場で発生する二酸化炭素を回収し地中に埋めるCCSなど温暖化ガスの排出削減に直接つながる事業を支援する。
食品ロスの肥料や燃料への転用、森林保全と木材の燃料利用、石油由来のプラスチックのリサイクルなども想定する。
プロジェクトごとに事業会社や投資家と共同で出資し、金融機関の融資も受ける。
ファンドの出資比率は半分以下とすることで、民間資金の比率を高める。
民間の投融資も含む総事業費ベースで1000億円規模をめざす。
投資先を選ぶにあたり収益性や民業を圧迫しないといった支援基準を策定する。
環境省は13年から脱炭素プロジェクトに投資するファンドを運用してきたが、石油やガスを燃やす際に発生する温暖化ガスの排出削減に使途が限られていた。
新たなファンドは食ロス対策や森林保全、プラスチック廃棄物などの分野も対象に加え、幅広い分野で脱炭素事業を後押しする。
日経新聞記事 抜粋
まとめ
カーボンニュートラルに関しては国ごとに課題が異なります。
再生可能エネルギーや省エネルギーといった脱炭素分野への投資は新たな技術や産業が生まれる大きなチャンスと捉えることができます。
温暖化への対応を“経済成長の制約やコスト”と考える時代は終わり、“成長の機会”ととらえる時代になりつつあります。
このブログで何度か紹介している環境・社会・ガバナンスを重視した経営をおこなう企業へ投資する「ESG投資」は世界で3,000兆円にもおよぶ大きな投資となっています。
今後さらに環境関連の投資はグローバル市場では大きな存在となります。
日本においてもエネルギーの国家戦略は経済産業省が中心に蓄電池や水素といった次世代の脱炭素技術の研究開発以外にも地熱発電の資源量調査予算も増やしていって欲しいものです。
今回のファンド設立により、環境に関する多角的な視点で、脱炭素プロジェクトを幅広い分野で効果的に実行して欲しいものです。
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