SDGs経営実践事例 「Oisix」

SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。

17の目標と169のターゲットについて子供にも理解しやすいようにまとめて、ぞれのターゲットについて考えていきたいと思います。

今回はSDGs経営実践事例として「オイシックス・ラ・大地株式会社」について紹介します。

目次

オイシックス・ラ・大地株式会社

SDGSが目指す開発目標は官民連携として企業の果たす役割は大きいものです。

ピーター・ドラッカーは「企業にとっての利益の追求が、自動的に社会的責任遂行を意味しなければならない」と指摘しています。

利益を出すことが存在意義であると同時にその顧客の課題解決の価値提供において社会に及ぼすマイナスの影響を意識する必要があります。

所謂近江商人の「三方良し」の考えが必要です。

SDGsは社会全体が目指す包摂的なゴールなので、SDGsの視点から企業活動を見直すことは、一見短期的には利益と相反する様に見えます。

長期的な視点で利益を捉え、負のインパクトを最小化することを考える必要があります。

今回はSDGs経営実践事例として「オイシックス・ラ・大地株式会社」という企業について紹介します。

コロナ禍で買い物の機会も極力減らす生活の中で宅配食材が注目されています。

食への意識が高くなる中で、買い物へ行くリスクや調理時間や献立など益々宅配需要は高まると考えれれます。

コロナ禍で家族の健康管理のための安心・安全な食材を選び、これまでの食生活についてもあらためて立ち止まり、考える機会が増えています。

SDGs-image

オイシックス・ラ・大地株式会社はよい食を作る全国の生産者とご家庭の食卓を繋ぎ、より多くの人が幸せな毎日を送れる食の未来をつくります。

オイシックス・ラ・大地株式会社HP

オイシックス・ラ・大地株式会社のSDGs

オイシックス・ラ・大地株式会社はよい食を作る全国の生産者とご家庭の食卓を繋ぎ、繋ぐ方法をつねに進化させる事で、持続可能な社会を実現することをテーマに企業経営されています。

生産者の顔が見える形は前回紹介しましたESG経営事例「不二製油」の様に海外から食材料のパーム油を輸入している企業ではサプライチェーンの調査は困難です。

日本人の生産者が丁寧に作りあげた有機野菜や無農薬野菜を食せることは素晴らしことですが、日本の農業は今や深刻な高齢化の問題を抱えています。

日本は世界でも5位の農業大国として知られていて、日本の農家が人口に占める割合は1.6%とされています。

日本の農業人口は2009年のデータでは289万人、確かに少ない数字ではありません。

しかしこの農業人口の6割が65歳以上であり、35歳未満の働き盛りはわずか5%という現実が非常に問題となっているのです。

美味しい食材を家庭に届け続けるには販売経路が無いと生産者は安心して生産出来ません。

有機農業の田畑を広げ、生産者を増やしたいという思いで合併前の「大地を守る会」は40年やってきたこられましたが、欧米ほどの広がりはありません。

アメリカやヨーロッパはオーガニックの市場が1兆~3兆円で、日本は概算で1000億~1300億円の市場です。

大手新聞社が「有機野菜を食べたいですか」とアンケート調査を実施したところ、回答者の8~9割が「食べたい」と回答しますが、購買には至らない現状があります。

日本にオーガニックの概念が根付かず流通量が少ないことで有機野菜はまだ値段が高いことが原因です。

以下は日本にオーガニックが根付かない要因等について、大地を守る会とオイシックス統合時の大地を守る会 藤田和芳社長(現オイシックス・ラ・大地株式会社 会長)のインタビュー記事の抜粋です。

日本の気候・風土の問題や主義・主張が違う場合の排他的な考え方がオーガニックの成長を阻害していたことを知りました。

オイシックスとの経営統合でインターネットのプラットフォームや物流システムなどのシナジー効果でオーガニック食品を少しでも安く販売し消費が増えて欲しいと思います。

そして、やりがいを持った生産者の継承がスムーズに継続され、日本の田畑が保全され続けることを期待しています。

「日本社会にはオーガニックの統一した基準が根付いていません。

そのために安全性を競い合って、完全無農薬のものがよくて、ちょっとでも農薬をまいたらレベルが低いという発想になります。

すぐそばにいて少しだけ違う人を『あなたたちがいるために、私たちの純粋さを守り切れない』と批判します」

「有機農業にも『自分たちは純粋にいいことをやっている』と考える傾向があり、ついそういう方向に流れてしまって、多様性を認めることができない構造になってしまったんです。

有機農業まで批判する運動をやっている人は、本当に純粋に守り切ってやっていますか。なんだかんだ言って、コンビニでおにぎりを買ったり、あまり気にせず外食したりしていませんか」

「自分には許していることがいっぱいあるのに、相手のことは許さないという人がいるのは、日本の市民運動や有機農業運動の欠陥ではないかと思っています。

もっとおおらかに多様なものを認めないと、広がりを持てません」

「無農薬、無化学肥料を3年間続けないと認証しないJAS有機の表示制度は、農家にはまったく魅力はありません。

新たに有機農業を始める人は、その間、価格面で評価されず、売り先の確保も期待できません。

私の実感ですが、有機農業を(農薬と化学肥料の使用量を半分に減らす)特別栽培まで広げてもいいのではないかと思っています」

「日本は欧米と違い、高温多湿なために植生が豊かですが、雑草が次々に出てきてしまうという難しさもあります。

欧米とはまったく環境が違うんです。

にもかかわらず、完全無農薬を求めれば、やれる人はいいですが、全体をどうするかを考えればもっと広い基準が必要でしょう。

大地を守る会は独自の厳しい基準でやりますが、ほかは認めないというのではよくありません」

「病害虫の防ぎ方など、有機農業の技術はかつてと比べてずいぶん進歩しています。

新規就農で有機農業を選ぶ人もいます。ただし、彼らは目立ちますが、数はそう多くはありません。

基準の面から、農水省がもっと後押しすることはあるはずです。

そして我々のような販売業者や消費者の組織がもっと広がりを持ち、力をつけないと、農家の努力だけでは広がりはつくれません」

日経ビジネス 2017,2,24

PVアクセスランキング にほんブログ村

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (2件)

コメントする

目次