SDGsには17の大きな目標があり、それぞれに平均10個ずつくらい同じようなターゲットが存在し、合計で169個あるので169のターゲットと言われています。
今回はSDGsに関する企業の意識調査の結果、この1年で積極的な企業が大幅に増加している事を紹介します。
SDGsに積極的な企業は39.7%、前年より大幅増加
2030年のSDGs達成に向けて、2020年1月からは「行動の10年(Decade of Action)」と銘打ち、産官学民すべてにおける取り組みの加速が期待されています。
この度、帝国データバンクは、SDGsに関する現在の企業の見解について調査されていますのでその内容を紹介します。
調査結果 概略
1 自社におけるSDGsへの理解や取り組みについて、「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」企業は14.3%となり前回調査(2020年6月)より6.3ポイント増加するなど、「SDGsに積極的」な企業は同15.3ポイント増の39.7%と前年より大きく増加した。一方で、SDGsに取り組んでいない企業は50.5%と半数を超えている
2 規模別にみると、「大企業」ではSDGsに積極的な企業が55.1%となり半数を上回った。一方で、「中小企業」では積極的な企業は36.6%で大企業より18.5ポイント下回った。SDGsに対する意識は企業規模で差が表れている
3 業界別にみると、積極的な企業では「金融」が56.0%で最も高くなった。次いで、「農・林・水産」も55.6%で半数を超えた。一方で、SDGsに取り組んでいない企業では「卸売」が52.9%で最も高く、「運輸・倉庫」(51.0%)、「サービス」(50.8%)、「建設」(50.4%)の4業界が5割超となった
4 SDGsの17目標のなかで、現在力を入れている項目では、「働きがいも経済成長も」が32.0%で最も高かった(複数回答)。今後最も取り組みたい項目でも同様に「働きがいも経済成長も」が15.4%でトップだった(単一回答)。いずれの項目でも「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や「つくる責任つかう責任」が上位となっている
5 SDGsに積極的な企業の景況感を表す『SDGs景気DI(総合)』をみると、2021年6月のSDGs景気DI(総合)は41.1と、全体の景気DIを上回る水準で推移した。17目標別では、「産業と技術革新の基盤をつくろう」や「人や国の不平等をなくそう」が高かった
2021/7/14 帝国データバンク SDGsに関する企業の意識調査(2021年) 抜粋 【詳 細】
まとめ
SDGs に注力する機運は世界中で高まり、特にヨーロッパを中心に行動の10年(Decade of Action)に多くルール化されています。
EUではガソリン車の販売禁止など、自動車メーカー1つをとっても企業は大きく経営モデルを変更する事を求められています。
政府や自治体のみならず民間企業も経営スタイルを変更せざるを得ない環境は大企業から順次中小企業へも求められるていきます。
ESG投資 の観点からも SDGs の達成に向けた取り組みは重要視されていく流れは上場企業には、外せないキーワードとなっています。
マスメディアで取り上げられる機会も増え、 SDGs に積極的な企業は前年から大幅に上昇し約 4 割となっていますが、経営状態にある程度余裕がなければそこまで目が向けられない状況も理解できます。
「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や「気候変動に具体的な対策を」等は企業からは「目標が大きすぎて何から手を付けて良いか見えてこない」声もあります。
リソースの少ない企業であっても進めていく為にも経済産業省等が補助金等政策等で対応する必要があるようにも思えます。
SDGs の達成に向けた取り組みが、既存事業の拡大や新規事業の開拓、関係先との信頼関係構築などメリットが実感できれば更に進みます。
自社の事業が既に SDGs の 17 目標に該当していることを新たに発見できたと感じる企業も多く現在の該当目標以外にも取り組んでいくきっかけとなります。
また、その発見から、自社の強みの再確認し、新たなビジネスチャンスを模索するきっかけにもなると思います。
2021年7月15日の日経新聞には「米欧の財政支出、脱炭素・ITに集中 日本は10分の1以下」という見出しのニュースがあります。
新型コロナウイルス危機の出口を見据え、米欧で環境やデジタルの分野で数十兆円規模の巨額の財政支出に動き始めたという記事で日本はその分野で遅れをとりました。
今後の巻き返しを含め、官民連携で進めていく必要があるように感じました。
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