星野リゾートの「勝手にSDGs」 

SDGsには17の大きな目標があります。

今回は、企業の取り組みとして、コロナ後の観光の鍵にとなる星野リゾートが進める「勝手にSDGs」について日経新聞の記事を参考に紹介します。

勝手にSDGs

以下は星野リゾートサイトによる勝手にSDGsの紹介です。

星野リゾートは経済価値と社会価値を両立するCSV経営(CSV:共通価値の創造)が重要だと考えています。

私たちはSDGs(SDGs: 持続可能な開発目標)を、CSV経営を促進するためのフレームワークとして捉え、環境経営の推進やフードロスの削減、伝統文化・伝統工芸の継承に向けた取り組みなど、さまざまな活動を行っています。

星野リゾート 勝手にSDGs

新型コロナウイルス禍で旅館など観光業は打撃を受けました。

政府に支援を求める声が多い中、逆風を事業構造やマーケティングの進化につなげ、コロナ後への準備を進めたのが星野リゾート(長野県軽井沢町)です。

星野リゾートの「星のや軽井沢」

コロナ流行から3年目の夏を迎えようとしています。

令和3年度版の観光白書の国際世界観光機関(UNWTO)によると、新型コロナウィルス感染症拡大防止の為の渡航制限により2020年の国際観光客は前年比10億7,200万人減の3億9,400万人(前年比73.1%)となりました。

日本においても訪日外国人旅行者数は、412万(前年比87.1%)となり、観光業に深刻な影響を与えています。

星野リゾートにおいても、国内外で運営するホテルなど50を超す施設はコロナ流行初期、宿泊客が急減しました。

コロナ感染拡大により、観光のトレンドも変化し近隣地域内での観光(マイクロツーリズム)の割合が増加しました。

また、有名観光地への物見遊山ではなく、1つの地域に滞在し、文化や暮らしを体感しじっくり楽しむ滞在観光も増えたきています。

このようなトレンドの中、星野佳路代表も「より遠くから、より多くの人を呼ぶ。そうした流れの中で、地元や地域とのつながりがおろそかになっていなかったか」省みるようになりました。

星野リゾートにおいても、宿泊業の使命とは何か。祖業である避暑地の温泉旅館も「夏以外は地域の人々の骨休めの場だった」。原点に立ち返り、コロナ禍で緊張して暮らす近隣の人に安全とくつろぎの時間を提供することに方針変更します。

森や海岸など地域の持つ自然の中で朝食を楽しむなどのサービスで、滞在観光を中心に多くの施設がインバウンドの売上減を補うことが出来ました。

もう一つの宿泊業の使命は「文化の発信拠点」です。

星野リゾートの施設は米ホテルチェーンと対極で設計は標準化せず価格帯も施設によってまちまちです。

コロナ禍前から若手芸術家の起用や祭りの再現、街場の店の案内ツアーと、地元文化の紹介に力を入れていました。

自分の地元の魅力を知らない人が多い中、マイクロツーリズムの増加により、地元の旅館に市民が泊まり郷土の文化や食を知る宿泊が各地で生まれはじめました。

今後、円安が続けば海外には更に行きづらくなり、地元や国内の旅が増えていきます。

星野リゾートの「勝手にSDGs」では、以下のような取り組みを行っています。

軽井沢で100年続く自家水力発電など環境対策に加え「観光客が少ない場所に魅力を作る」ため地域食材や土地の文化を取り入れています。

北海道ではゴルフ場を牧場に戻す「ファーム星野」の取り組みやペットボトルの水の提供をやめるなど脱プラスチックも進めています。

サステナビリティーは観光の鍵になりつつあります。

日本政府観光局(JNTO)の調査(2021年)では欧州とオーストラリアで意識が高く、米国や韓国、台湾でも拡大中です。

フランスで訪日経験者らに聞くと9割が「地域食材、環境に優しい体験などのサステナビリティー」を意識し、使い捨てプラ容器や過剰包装に嫌悪感を感じた人もいます。

サステナブル消費の主役は欧米豪の知識層や新富裕層、若年層で、中国やインドではいまのところ関心は低い状況です。

コロナ前の観光業界は中国人に的を絞り先進国のトレンドから外れていましたが、中国も中上流層や都市住民の価値観は先進国に近づいています。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする