料理を引き立たせる風味豊かなスパイス「七味唐辛子」
緊急事態宣言も解除され、飲食店の時短要請も解除されてきましたが、夕食は、まだまだおうちでお酒を飲む機会が多いと思います。
これからの寒い時期に鍋料理はかかせません。
家飲みブログでも色々な取り寄せ鍋料理を紹介していますし、これから紹介していきたいと思います。
今回は家飲みに欠かせない鍋料理やおつまみに欠かせないピリッとした七味唐辛子にスポットをあてて紹介してみたいと思います。
七味唐辛子の由来
七味唐辛子は、江戸時代にの日本橋薬研堀町で生まれた日本古来のブレンドスパイスです。
からしや徳右衛門が、漢方薬をベースに生薬としても使われていた素材を組み合わせてつくりあげました。
当時は、スパイスというよりも一種の薬のような感覚で使われており、寺社仏閣の門前で売られることが多かったようです。
七味といってもブレンドするスパイスの種類や数に決まりはないため、メーカーごとに原料と調合の割合が異なります。
唐辛子の辛さだけでなく、ゴマや紫蘇、陳皮、山椒などの豊かな香りも楽しめるのが七味唐辛子の魅力です。
最近では東京や京都をはじめとして各地に七味唐辛子の専門店も増えています。
七味唐辛子の選び方
七味唐辛子はメーカーによって調合されている原材料が全く異り、味も千差万別です。
種類も多く、どれを選べばいいか分からない方が多いと思いますが、ぜひ参考にしてください。
原材料で選ぶ
七味唐辛子の味わいは原材料で決まります。どのような種類の原材料が入っているか確認して、自分好みの七味唐辛子を見つけるのもひとつです。
辛さで選ぶ
七味唐辛子は風味を大切にする商品も多く、そのほとんどの辛さが控えめです。
辛いもの好きの方には物足りないということもあります。
辛さを重視している方は、唐辛子の配分が多い七味唐辛子を選ぶようにしましょう。
中には、辛いもの好きな人にはたまらない、ハバネロなどの激辛素材を使用した七味唐辛子もあります。
料理にスパイスとしての刺激を加えたい方は、辛口の七味唐辛子がおすすめです。
香りにこだわる唐辛子
七味唐辛子には、柑橘系や黒ごまなどの素材が含まれているものもあり、料理に香りづけをしたいという方におすすめです。
黒ごまが強い七味唐辛子は香ばしく、味わいがマイルドになるので辛みが苦手な人にも使用できます。
ゆずなどの柑橘系が入っているタイプだと、料理に爽やかな香りを加えることができ、特に和食にもぴったり。
陳皮や柚子が多く入った「ゆず七味」などは口に入れるとふんわりと和かんきつの香りが広がります。
素材の味を生かした湯豆腐や鍋料理のアクセントにぴったりです。
ふかみと痺れの「山椒・生姜タイプ」入り唐辛子と違った辛さで人気のある、山椒や生姜を使った七味唐辛子もおすすめです。舌がピリッとする辛さは、料理にアクセントを加えてくれます。
とくに山椒が多く入った「山椒七味」は、さわやかな山椒の香りも楽しめるのが魅力です。
麻婆豆腐に入れたり、鶏の唐揚げやてんぷらに掛けたりするとよいでしょう。
オーソドックスな唐辛子の辛さに飽きてしまった人にも試してもらいたい七味唐辛子です。
このブログで紹介しました「丹波のぼたん鍋」も山椒入七味がよく合います
タイプで選ぶ
七味唐辛子を選ぶときは、まず七味唐辛子のタイプを決めましょう。粉末タイプと生タイプがあるので、それぞれの特徴を紹介します。
粉末タイプ
丼ぶりや麺類の漬け汁にさっとかけたいなら、粉末タイプがおすすめです。
完成した料理のアクセントに、食べながら味に変化をつけるため後かけ、簡単に使えて便利です。
一味唐辛子に比べると辛さも控え目なので、辛いのがそこまで得意でないという方でも使いやすいですね。
豆腐や揚げ物などの固形の料理にもまんべんなく味をつけることができるのも、粉末タイプの利点です。
汁物に入れる場合は、下に溜まりやすいので一気に飲むとむせてしまうので注意が必要です。
また使う前に蓋をした状態で数回ふると、まんべんなく種々の味を楽しむことができます。
食べながら味を変えたいときでも、あとから好きなだけ振りかけられます。
完成した料理にアクセントを加えたいときや、素材にまんべんなく味をつけたいときにもぴったりです。
粉末タイプの七味唐辛子を選ぶときは、振りかけるまえに容器を数回振りましょう。なかで七味が混ざり合い、バランスよく出てきます。
生タイプ
食べるラー油のような感覚で、ごはんに乗せたり、冷ややっこに乗せたりして味わえるのが生タイプの魅力です。生の原材料を使用しているため、香りや辛さが強く感じられます。
液体にも溶けやすいので、鍋の味つけやドレッシングなどにも使いやすいのがポイント。粉末の七味では刺激が物足りないと感じる人は、ぜひ一度味わってみてください。
自分好みの「産地」の味を見つけよう
地域によって七味唐辛子の味は異なります。
その土地の料理に合うように作られており、辛さが控えめで香りを重視していたり、辛さを重視していたりと、種類は様々です。
関東や関西でも食文化の違いが味の違いのなっています。
最近では、ご当地の特産品が入っている珍しい七味唐辛子なども流行しているので、一風変わった味を求めている人におすすめです。
やげん堀/東京・浅草

寛永二年(1625年)、徳川三代将軍家光の時代、やげん堀の七色唐辛子は献上品となりました。
その際、家光公にことのほか喜ばれたやげん堀の七色唐辛子は、徳川の「徳」の字を賜りました。
やげん堀のロゴに「山徳」の称号が表示されているのは、これが由来です。
やげん堀の七色唐辛子は、初代からしや徳右衛門が漢方薬をヒントに考案しました。
従来の唐辛子に種々の材料を混ぜ合わせていわゆる七味唐辛子を造り出し、江戸中に広めたのです。
以来、十代の永きに亘り、七味唐辛子の調合販売という方式を続け、今なおそれが喜ばれています。
やげん堀HP
東京・浅草に店舗を構える「やげん堀」です。
創業約400年を迎える老舗七味販売店です。
漢方をヒントに作られた七味は、香りはもちろん、辛さも抜群。昔ながらのこだわりが人気のメーカーです。
使用されている唐辛子は2種類。
辛みと旨味のバランスがちょうどよく、ピリッとした辛さが引き立ちます。
店頭では調合販売も行っており、お好みの辛さの七味唐辛子を買えるお店としても有名です。
根元八幡屋礒五郎/長野・善光寺

長野市の北西に位置する、旧鬼無里村周辺は、通称西山と呼ばれ、日本でも有数の麻(大麻)と和紙の産地でした。
この麻と和紙は、善光寺境内のすぐ西側にある桜枝町に集められ、商人の手によって、江戸を中心に全国に運ばれていきました。
麻を運んで江戸におもむいた商人たちが、帰途に日用雑貨や食品の類を仕入れ、副業として善光寺周辺で売りさばいていて、その中に、七味唐辛子がありました。
そのような流れの中で、江戸中期、祖先を西山にも持つ初代室賀勘右衛門が、1736年(元文元年)に七味唐辛子を善光寺の堂庭(境内)で売り出したのが、八幡屋礒五郎の始まりです。
八幡屋礒五郎HP抜粋
辛さと香りのバランスが絶妙で、信州土産としても人気が高い商品です。
歴史ある七味唐辛子店ですが、最近は長野県産の原材料を使ったり、ガラムマサラ味の七味を発売したり、種類豊富な味があるのも魅力の1つです。
小袋に入った商品も発売していますので、鮮度を保ったまま七味を味わいたい方におすすめです。
七味家本舗/京都・清水

京都・清水産寧坂の階段をのぼると、眼の前を清水坂のゆるやかな坂道が横切ります。
その右手の角が七味家です。およそ360年前の明暦年間から暖簾をかけました。
当時は『河内屋』と号し、茶店を生業とし、清水まいりの皆様にお立ち寄りいただいていました。
その折にお出ししていた『からし湯』が評判を呼び、いつしか七味唐がらしを取り扱い。
今も昔とかわらずにぎわう東山で、今日までご愛顧をいただいています。
七味家本舗HP
唐辛子以外すべて香りを持つ素材を使って、香りを立たせている七味唐辛子を販売しています。
「風味が命」と謳う七味家本舗の七味唐辛子は、京料理をはじめ、様々な料理の味を引き立ててくれます。
辛さよりも香りや風味を重視したい方におすすめです。
七味家本舗の「七味唐からし」は、山椒の割合が少し多めに作られていて、京料理以外にも、もりそばや、そうめんなど麺類にかけるのもおすすめです。
おちゃのこさいさい/京都

江戸時代の初期に、東京の薬研堀で生まれて京都へと伝わり、清水寺門前から広まった山椒香る「七味とうがらし」。 5つあるお店は“京七味”発祥地ならではの特色も豊かです。
おちゃのこさいさいHP抜粋
おすすめの人気七味唐辛子は「舞妓はんひぃ~ひぃ~ 七味唐辛子」です。
ネーミングのインパクトと辛さのインパクトもあります。
”世界一辛い七味”と謳われている国産のハバネロ唐辛子が使われています。
その辛さは一般的な唐辛子のおよそ10倍。普通の七味唐辛子では物足りない激辛好きさんには絶対におすすめしたい逸品です。
また、ただ辛いだけではなくしっかりと京都の七味唐辛子らしい深い風味と旨味が味わえるのも人気のポイントです。
原了郭/京都
原了郭の創業は元禄十六年(一七〇三)年。
初代の原儀左衛門道喜は、赤穂義士四十七士の一人である原惣左衛門元辰の一子で、剃髪して「了郭」と称し、祇園社門前に店ほ開きました。
了郭は漢方の名医・山脇先生の処方による御香煎を製造、家業としました。
以来、歴代当主が一子相伝でその秘法を受け継いでおります。
手間を惜しまず「五感をいかいした製造」一筋に。
原了郭HP 抜粋
原了郭 黒七味 四角(木筒)
今流行のとにかく辛いものすご辛いちゅうような七味やのうて、辛い中にも風味があり、それでいて主菜と喧嘩せず主菜の味を生かす絶妙なバランスを持った七味どす。
祇園 藤村屋 商品説明抜粋
うちの子供らは嫁の好みに似たんか、料理には基本的に醤油やとかソースやとかは、ほとんどかけへんのですけど、黒七味だけはセッセと振りかけて使いよりますねん。
ホンマの話どっせ。
普通の七味が赤いのに黒七味が黒っぽいのは、手間ひまをかけて原材料をもみ込む事により原料の油分が出て来る事によるとか。
ちょちょっと配合して混ぜただけで作れる七味とはひと味違う訳ですなぁ。
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