家飲み 純米酒を極める 酒造米へのこだわり

目次

純米酒を極める/上原浩 光文社知恵の森文庫

前回紹介しました「日本酒 純米酒を極める!」に続き、美味しい純米酒の酒造米について紹介します。

伝説の酒造米「亀の尾」の復活

伝説の酒造米「亀の尾」は漫画『夏子の酒』で知りました。漫画では「亀の尾」の復活は新潟県の久須美酒造が中心に描かれていましたが、山形県の鯉川酒造も同時期に復活栽培に尽力した様です。

もともと「亀の尾」は穂丈が高くなりすぎるので倒伏しやすく、科学肥料を使うと極端に米が脆くなる栽培が難しいお米です。

現代の農法は多く収穫され科学肥料で育つお米が主流で栽培されなくなった経緯があります。

伝説の酒米として有名になりこれを使えば自動的に良い酒が出来る様に思う人も多い様ですがこのお米は酒造好適米に指定されていない事からわかる様に作りにくいお米です。

一度消えた「亀の尾」を使用した酒造家も50場を超すまでになっていますが「鯉川」ほどうまく使いこなしているお酒はないというのが著者の見解です。

鳥取の「強力」

同じく戦前栽培されていた強力を復活させたのは、「福寿海」や「いなば鶴」の中川酒造と「日置桜」の山根酒造です。

平成2年に復活した時、味のふくらみはなかったが熟成が進むに旨味の出方は山田錦にはない芳醇でも味切れの良い酒となったそうです。

今では強力を使用したさ酒造所も増え鳥取県の「諏訪泉」の諏訪酒造、「鷹勇」の大谷酒造、「千代むすび」千代むすび酒造などが強力を使ったお酒をつくっています。

純米酒を勧めるブログですので、「強力」をしっかり原料処理し、じっくりと熟成させた純米酒を是非お試し下さい。

山田錦特上米へのこだわり

つくりやすい酒造米の条件は、粒の大きさとほどよい割合の「線状心白」があり、保水力優れていることなどです。

良質の山田錦は上記の条件を満たした上で吸水率の上限と下限の差が少なくムラのない蒸米が比較的容易にできることが好まれる理由です。

山田錦は酒米として1番有名ですが中でも元大阪国税局の永谷正治氏が指導した農家の山田錦は格別だそうです。

原産地の兵庫県穫れる山田錦の特A地区(加東市・三木市)は有名でその特上米にこだわり酒造りをしている「龍力」の本田商店が有名です。

大阪北部の「秋鹿」の秋鹿酒造は大手に囲まれた中、他が真似できない自ら無農薬で山田錦を耕作しています。「醸は農なり」を絵に描いた様な酒造作りです。

美味しい純米酒は悪酔いする事もありません。地酒を扱いお酒への知識のある酒屋を見つけ色々楽しみたいものです。

地域に純米酒だけを作り続ける酒蔵があれば訪れ、購入してみてください。

全量純米蔵を目指す会

全量純米蔵を目指す会は、今回紹介している故「上原浩さん」の訓えを実践する会です。以下はその会のホームページからの抜粋です。

生前、酒造技術指導にとどまらず、我々蔵元に対して、さらには小売店・飲食店・消費者に対して、日本酒の在り方を問いかけ、酒造業界に警鐘を鳴らし続けた上原先生の思いです。

酒は純米、燗ならなお良し-。

人に酒について聞かれれば、私はいつもそう話してきた。


春だろうが夏だろうが、私は純米酒に割り水をかけて、ぬる燗にして飲む。

こうして飲めば口当たりが軟らかくなり、ふんわりとした旨みが広がり、酒に合う料理の幅もうんと広がる。

燗酒は胃壁からの吸収が早く、心地よく酔っていくから、飲み過ぎることも少ない。

純米酒を極める はじめに 抜粋

にほんブログ村 酒ブログへ
にほんブログ村

にほんブログ村 酒ブログ 日本酒・地酒へ
にほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (5件)

コメントする

目次