紹介本 『編集思考』/新しい価値を生む「組み合わせ」

目次

編集思考/佐々木 紀彦/ NewsPicksパブリッシング 

この お勧め本紹介blogを通じて本を読むことで色々な価値観を知る事で成長できることを伝えていきたいと思っています。

今回紹介する「編集思考」は元「東洋経済オンライン」の編集長および「NewsPicks」の初代編集長を務めた、佐々木紀彦さんです。

佐々木紀彦さんを知ったのは、NewsPicks企画のコンテンツに登壇されたり、そのコンテンツHorie OneやWEEKLY OCHIAIの司会をされているときです。

昨年末にNewsPicksを退社されて現在は新しい経済コンテンツサービスを制作する会社を設立を準備されていて、今後の活躍が楽しみです。

本のタイトルの編集思考だけを見ると出版や音楽・映像などのコンテンツビジネスに関わる人に向けた内容と思われがちです。

本の冒頭で佐々木さんは編集思考がビジネスモデルや個人のキャリアにも応用可能だという事を伝え具体的な編集思考の磨き方などを事例を本書で書かれています。

「経済×テクノロジー×文化」を越境せよ

今回NewsPicksを退社され経済コンテンツサービスの制作に携わることに決意されたのも日本に蔓延する閉塞感を払拭するために自らに何が出来るかという思いからだと思います。

8月には経済コンテンツサービス「PIVOT」の資金調達も実施され、本格的に経済分野の活字・映像等のコンテンツ制作がスタートされます。

この編集思考の中で物事を横串でつないでいくことの重要性を伝えていて 編集思考を今の日本で一番実践しているのは、『日本再興戦略』の著者、落合陽一さんを紹介しています。

長年 NewsPicksのWEEKLY OCHIAIで共演されていて、影響を受けていることも多いと思いますが、 経済×テクノロジーでは堀江さんのことも紹介されていましたが、それにプラス文化も必要と紹介されています。

一つの専門性にこだわらず、横断的に学びを深めて、活動領域を広げることは誰にでもでき、堀江貴文さんの「他動力」や藤原和博さんの「1%の人になる方法」にも通づる内容です。

自分の人生や日本の将来をよりよくするには、「経済×テクノロジー×文化」のトライアングルの編集が必要ということに共感します。

そもそも編集とは何か

本書では一般的に思われる編集の概念を超え「編集で培われる思考のフレームワークを、いかにビジネス(事業)視点で活用するか」に置き換えて説明されています。

佐々木さんは編集という行為を「素材の選び方、つなげ方、届方を変えることによって価値を高める手法」と定義しています。

そして優れた編集が、その価値は何倍に高まると定義しています。

成熟した現代では、新しいものは何かの組み合わせからしか生まれない。そこで欠かせないのが「編集」という能力が個人にも必要ということです。

この考え方はブレーンストーミングを考えたオズボーンの発想やラテラルシンキングにもつながる考え方だと感じました。

本書では、例として、箱根にあるブックホテル「箱根本箱」について紹介されていました。

書店の取次を行う日販の元保養所を全面的にリノベーションし、「ホテル×書店」の掛け合わせを行った成功事例です。

新たな価値を生み出すために素材の選び方、つなげ方、届方を変えることによって価値を高める手法は重要と感じます。

編集思考には4つのステップ

編集思考には4つのステップがあることを本書で紹介しています。

そのステップとは「セレクト(選ぶ)」「コネクト(つなげる)」「プロモート(届ける)」「エンゲージ(深める)」です。

編集行為を順にステップアップさせ、最後に深めるステップがあるということです。

4ステップの編集思考フレームワークに則った事例としては、当時の自社(NewsPicks)そして、ディズニーやNetflix、WeWorkなどの事業展開を紹介しています。

NewsPicksを事例に紹介されていたの要点は以下の通りです。

  • 「セレクト」視点では経済コンテンツへの特化したことです。
  • 「コネクト」視点では「ビジネス×コンテンツ×テクノロジー」のプラットフォーム構築です。
  • 「プロモート」視点では日経新聞に「さら、おっさん」と題した全面広告ので話題化戦略です。
  • 「エンゲージ」視点では「リアル」回帰トレンドに乗ったコミュニティづくりです。

編集思考の土台となる3つのリソース

編集思考はビジネスシーンで必要なフレームワークですが、編集思考でビジネスアイデアを構想したとしてもそれを形に変えるには行動力と3つのリソースが必要と述べています。

堀江貴文さんの著書などでは、まず誰でもアイデアは思い浮かべるけれどもそれを行動に移す人が少ないこと、さらにしつこく続けられる人は更に少ないと書かれていました。

この本ではビジネスアイディアを構想できたとしても、その実行に際しての障壁についても具体的に書かれています。

行動して障壁にぶつかり学び更に行動できる人はいいですが、再トライできないのであれば事前に障壁関して準備することで行動できる人もいると思えます。

自らの経験から必要なスキル修得の手法論についても具体的に紹介されています。

そして「編集思考の土台となるリソース (資源/財源) 」として、以下に3つを上げています。

何のリソースも持たずにがむしゃらに頑張れる人もいますが、今回の佐々木さんの一連の独立・起業の動きをみると確実に準備され満を持しての行動と思います。

  • 教養(知のネットワーク)
  • 人脈(人のネットワーク)
  • パワー(権力と権威のネットワーク)

編集思考を磨く行動は6つ

編集思考を磨くのに実際に実践され効果の高い行動は説得力があります。

人とは違う行動を心がけることで 編集思考磨かかれていくと感じました。

  1. 古典を読み込む
  2. 歴史を血肉とする
  3. 二分法を超克する
  4. アウェーに遠征する
  5. 聞く力を磨く
  6. 毒と冷淡さを持つ

まとめ

NewsPicksの記事や映像コンテンツを見るようになり、テレビではあまり取り上げられない視点の経済のことや社会課題を知ることになりました。

平成が失われた30年などと揶揄される中 NewsPicksでの活動を通じて自らができる形で今の閉そく感を打破したいという思いが今回の独立・起業のように思われます。

その事が2年前の佐々木さんの本からも熱いメッセージとして届いています。

それぞれの立場で閉塞感や日本経済の低迷を変えれるように編集思考を身に付けていきたいと感じました。

日本人は、下手をすると生まれてから死ぬまで縦割りの世界で暮らせてしまいます。

画一的な大量生産·大量消費の時代はよかったですが、今のように多様な価値観が求められる時代には、その弊害が強く出て、閉塞感の原因となってしまっています。

だからこそ、横串で物事をつなぐ『編集思考』を備えた人が渇望されている

p334

経済の担い手である民間側も振るいません、低迷の責を負うのは、文化の担い手たる出版社、新聞社、テレビ局などのメディアです。

このセクターほど、経済音痴、テクノロジー音痴なところは珍しい。

私は日本の3大ガラパゴス分野は、政治、教育、メディアだとつねづね主張していますが、メディアの変化の遅さが、日本全体の変化のスピードを遅らせてしまっています

p407

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