紹介本 『天才!成功する人々の法則』

目次

天才!成功する人々の法則 / 講談社 / マルコム・グラッドウェル

この お勧め本紹介を通じて本を読むことの楽しさや色々な価値観を知り、成長に繋がることを紹介したいと思っています。

この本はこのブログで紹介した「本を読む人だけが手にするもの」で藤原和博さんが、ビジネス書でお勧めしてたので、本棚に眠っていた本書を再読しました。

昔読んだ時より多く印象に残ったので紹介します。

アウトライアーズとは?

本書の原題は「OUTLIERS」で全米では発売3ヵ月で100万部を突破した超ベストセラーです。

その内容に感銘を受けた経済評論家の勝間和代さんが丁寧に、わかりやすく翻訳した本です。

本書で幾度となく出てくるOUTLIERとは、統計的異常値といった意味で、極端な外れ値のことを指します。

転じて、日本においては傑出した才能、つまり天才と意味することで著者が伝えたい内容の理解が深まると思います。

多くの学術的研究の成果を基に生まれた時代や場所など環境が左右する事例や、個人の努力が報いられるまでの行動など具体的な事例で書かれています。

「1万時間の法則」とは?

「1万時間の法則」とは、何かのプロになるためには、「1万時間を必要とする」という法則です。

これは1990年代はじめ、心理学のK・アンダース・エリクソンが調査を行います。

この内容は藤原和博さんもよく著書で書かかれており、天才になり得るにもベースとなる時間は必要という事例を多く紹介されています。

調査事例としては、音楽アカデミーで学ぶバイオリニストを「世界的な演奏者」「優れた演奏者」「プロになれそうもない演奏者」の3つのグループに分けます。

全ての演奏者に「はじめてバイオリンを手にしてから、これまで何時間、練習しましたか?」という質問を行います。

結果は以下の通りです。

  • 「世界的な演奏者」は9歳で週6時間。12歳で週8時間。14歳で週16時間。20歳では週16時間以上も練習していたといいます。このころの総練習時間の合計は、1万時間に達していました。
  • 「優れた演奏者」は8000時間。
  • 「プロになれそうもない演奏者」は4000時間。

という調査結果でした。

「プロ」と「アマチュア」でも同様の調査をしたところ、同じ結果が出たそうです。

このことから、どんな分野でも“世界レベルの技術”に達するには、1万時間の練習が必要ということが明らかになりました。

モーツァルトの幼少期より作曲していた事実はあります。

ただ、幼少期は聞いフレーズを繋ぎ近親者が少しアレンジしたことが想像されており、真のオリジナル作曲には多くの時間を費やした事が分かるそうです。

まだ売れる前(下積み時代)のビートルズは、ドイツのハンブルクで一日八時間の演奏をし、週に七日働き、1964年に爆発的に売れるまで、約1200回のライブをこなし、技術を磨いてます。

IQ190“全米一の天才”が大成できなかったのはなぜ?

アメリカの人気クイズ番組、「1vs100」で、クリストファー・ランガンというIQ195の頭脳を持つ男がゲストで出演します。

ランガンは生後半年で言葉を話し、字が読めるようになったと言われ、5歳になると神父に「神の存在」について質問するようになり、学校に行けば、一学期分の教科書を2日で理解したという逸話の持ち主です。

そんな彼は、クイズで勝ち抜いて行き、賞金が25万ドルに達した時、周囲の期待とは裏腹に、クイズを降りてしまったのです。

100万人にひとりの頭脳を持ちながら、世界に何の影響も与えず、彼は世間から姿を消します。

世を渡るための術がわからず、成功することができなかったのです。

本書ではクリストファー・ランガンの生い立ちや学生時代の言動も詳しく紹介しています。

併せて米スタンフォード大学の心理学者ルイス・ターマンが行った追跡調査も紹介します。

調査は、IQ(知能指数)が140以上であれば「天才か、それに近い」と仮定し、1920年代に米国カリフォルニア州の児童1500人余り(おおむねIQが140以上)を対象に追跡調査を開始。

彼らがその後の人生でどの程度成功したかを調べた。

調査対象者のなかには一流の科学者や政治家、医師、大学教授、音楽家になった人もいますが、自らで生活ができない人もいました。

本書では調査結果からは、IQ(知能指数)とその児童の生活環境のの要因が後の成功に大きな影響を及ぼす事を紹介しています。

まとめ

10年前に読んだ時はあまり印象に残らなかった本でしたが、自らの環境が変わることで気付きが多くなる再読のよい事例でもあります。

成功する人は「圧倒的にたくさんの努力」をしているが、努力だけで報われない時代や生まれた場所など要因も大きく影響しています。

また、飛行機事故の発生原因が文化やその国の伝え方に要因する事例などコミュニケーションにおいても重要な学びのある本です。

名著は時間が経過しても学び多い事を再認識しました。

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