紹介本 『我慢して生きるほど人生は長くない』

我慢して生きるほど人生は長くない / 鈴木 裕介

この お勧め本紹介を通じて本を読むことの楽しさや色々な価値観を知り、成長に繋がることを紹介したいと思っています。

今回は心療内科医鈴木 裕介氏が教える心がラクになる人間関係の秘訣『我慢して生きるほど人生は長くない』の紹介です。

著者の研修医時代に、近親者の自死を経験したことでこのような事が二度と起こらないようにと、研修医のメンタルスを守る自助団体「セーフティスクラム」を同級生と一緒に立ち上げます。

2018年からは、「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトとした秋葉原saveクリニックを高知時代の仲間と共に開業、院長に就任しています。

人々が持つ「生きづらいとう苦しみ」や「根源的な痛み」、「喪失感」に寄り添いながら、SNSや講演などでメンタルヘルスに関する発信から出版に繋がっています。
Twitter:@usksuzuki

自分らしい人生を取り戻すには

「いい学校・いい会社に入って、不自由のない暮らしをするのが勝ち組」「結婚して子どもを育ててこそ一人前」……。

私たちは日々、他人が考えた価値観やルールを一方的に押しつけられ、自分らしさを否定されています。

心身が悲鳴を上げても「親が言うから」「常識だから」と受け入れてしまい、我慢を強いられていることに気づくかない人も多くいるでしょう。

「自分らしい人生」を取り戻すには、人間関係のあり方を見つめ直すことが必要です。

他人のルールに縛られずに生きるためには、その人間関係が「好ましいもの」であるかどうかを、しっかり見極める必要があります。

好ましい人間関係は、公平(フェア)で穏やかなももです。

価値観を押しつけられることも、ミスや欠点を過剰に責められることもありません。

「自分は自分のままいて良いのだ」と感じられ、心が安定します。

一方、好ましくない人間関係は、他人のルールであなたを縛りつけ、時間やエネルギーを奪い続けらえます。

こうした関係の比重が高いと自分らしく生きられず、日々の生活に喜びを感じられなくなります。

「自分は何をやってもダメだ」と絶望感や虚無感に襲われることもあるだろう。

「自分の物語」を生きる

やりたいことがなくても生きていける

世の中には一見ポジティブで、だからこそ反論しにくい考え方があります。

「やりたいことがあるのはいいことだ」もその一つで、今の日本は「やりたいことがある」ことを過剰に求める社会です。

子どもの頃から「将来の夢は?」と聞かれ続け、就職すれば「会社のために何ができるか、何をしたいか」を問われ、退職後は「第二の人生でやりたいこと」を追及されます。

しかし実際は、本当にやりたいことなど簡単に見つかるものではなく、見つからない人も多いいと思います。

そういう人はやりたいことを問われるたび、「自分はダメ人間だ」と自己否定感を抱くようになってしまいます。

この考え方は単なる現代の価値観で、縄文や弥生の時代に生きていた人が同じように考えてはいないと思うことで、やりたいことがなくても、人は十分に生きていけると発想できます。

あなたの領域を侵害しようとする人を遠ざける3ステップ

自分の利益や自尊心を守るために、ときにはきちんとNOを言い、「お断り」するスキルを身に付ける必要があります。

「NOを言うなんて強い人にしかできない、私には無理だ」と思いかえってストレスになるかもしれません。

まずは以下の表で、自分がどのくらいのレベルまでNOと言えるか想定し、少しずつレベルを上げていく努力をしてみることです。

NOを言えない人に知ってほしい「お断り」の態度の強さレベル

レベル1直接、頼まれていないのに、雰囲気で相手のしてほしいことを察して、へとへとになるまでやってしまう。(「完全先取り」状態)
レベル2頼まれていないのに、雰囲気でいろいろ察してやってしまうが、疲れているときはやらない。(「ノーマル先取り」状態)
レベル3どんな頼みごとも、態度のうえでは嫌な顔ひとつ見せず快諾してしまう。(「よろこんで」状態)
レベル4少しためらいの態度を示すものの、承諾はする。(「ちょいしぶり」状態)
レベル5かなりためらいの態度をしっかり示すものの、承諾はする。(「しぶしぶ」状態)
レベル6不本意であることをいったん表明し、さらに要求されたら承諾する。(「NOの壁1枚」状態)
レベル7いったん断って、さらに要求されたら再検討する。(「NOの壁1枚半」状態)
レベル8断って、さらに要求されても押し切られないように努力する。(「NOの壁数枚」状態)
レベル9きっぱり断る。相手の言い分には、耳を傾けず、断る態度を貫きとおす。(「NOの鉄壁」状態)
レベル10きっぱり断り、さらに相手がしつこく要求する場合はしかるべき反撃を考慮する。(「NOの要塞」状態)

自らの領域にラインオーバーされるのは、「一方的な要求をされる」以外にも「自分にとって不快なことをされる」「相手の価値観を一方的に押し付ける」など様々な形があります。

ラインオーバーに関する具体的対処法は以下のステップです。

【STEP1】 第三者に相談する

自らの「不快・快」の感覚が信じきれず、「自分が気にし過ぎているのではないか」と思われるときは、信頼できる第三者に相談してみましょう。

【STEP2】 気持ちを伝える努力をする

相手がが悪気がなく、良い関係を築きたいと思うときは、「そういうことをされると私はつらいです」と「アイ・メッセージ」で伝えます。

アイ・メッセージはアメリカの臨床心理学者トマス・ゴードンが「親業』という本で提唱したコミュニケーション方法です。

気持ちをうまく伝える方法として以下のような方法を具体的に紹介されています。

  • 話すタイミングを選ぶ
  • 相手への気遣いや感謝の言葉を添える
  • 伝える内容を絞る
  • 相手の言い分も聞く

【STEP3】 相手を「NO」の棚に分類する

あなたが誠実に気持ちをを伝えて「も相手が聞く気がなかったり、ラインオーバーが続いたりした場合は「自分を大切にしない人」であることを認めます。

たとえ親や友人、同僚であっても躊躇なく自分の心の中の「NO」の棚に入れ距離をおくことに努力します。

まとめ

本書ではさまざまな「生きづらさ」を取り上げていて、自分の身体感覚に敏感になることの重要性を何度となく伝えています。

好き・嫌い、快・不快、正体のわからないモヤモヤ感……。人生や生活などあらゆる面で、自分の身体感覚を大切にすることが、自分の価値観に基づいた物語を生きる土台となると著者は言います。

普段はどうしても頭で考えることが優先されてしまうが、時折あえて「自分はどう感じるか」と身体の声に耳を傾ける機会をつくるといいと思います。

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