紹介本 『ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?』

ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか? /竹中 平蔵 ひろゆき

この お勧め本紹介を通じて本を読むことの楽しさや色々な価値観を知り、成長に繋がることを紹介したいと思っています。

今回は、YouTubeチャンネル「日経テレ東大学」で話題になったトーク【ひろゆき VS 日本一嫌われた経済学者・竹中平蔵】を中心に未公開の追加対談を収録した内容です。

YouTubeチャンネル「日経テレ東大学」の二人のトークの内容が興味深くて購入しました。

本書のはじめにでひろうきさんは、

日本人の勉強熱心さや努力を称賛する傾向、自助努力で解決しようとする姿勢、他者の目が行き届かないところも手を抜かない真面目さなど、他国の国民性や文化と比べても見劣りする部分は少ないのにかかわらずなぜ成長しないのか

本書 抜粋

と述べ、

おわりに竹中平蔵さんが

高校時代に尊敬する先生から「大学に行ける人は、家庭の事情で行けない人の分まで勉強してこい」という言葉をもらい、「生真面目に働いている父親のような人がもっと豊かになれるにはどうしたらいいか」という問題意識で、政策研究を本業としてきたと

本書 抜粋

書かれています。

育った環境も違う二人が海外で生活する事で、日本の良さと課題を理解され、日本が今後再度経済的に活性化するための政策について対談されています。

対談で挙がった「ベーシックインカム」をはじめ、「個人ではなく世帯への課税」「日本版CDC」「技能実習生の廃止」「正規・非正規雇用の同一労働同一賃金」などの政策提言は、小手先の制度変化でなく強い政治のリーダーシップが必要なものばかりです。

政策における「メニュー」と「レシピ」

YouTubeチャンネル「日経テレ東大学」でも流れていましたが、政策の議論をするときの「メニュー」と「レシピ」って言葉の説明を竹中さんがされていて非常に分かりやすかってので紹介します。

メニューというのは一般のお客様に対して、こういものがあると見せるもので、レシピはシェフのような人間に、こういうふに作ってくれと命令するものです。

一般に政策の専門家はレシピだけを大事にし、メニューを怠る危険性を指摘しています。

ここでは「負の所得税」がベーシックインカムのレシピとして紹介されていました。

因みに本書で「負の所得税」は中・高所得者に対して所得税を課すと同時に、一定の水準以下の所得の人には、水準との差に応じた金額を給付する制度と書かれていました。

YouTubeチャンネル「日経テレ東大学」でひろゆきさんは、視聴者の立場に立ち本書を制作するにあたり分かりやすいメニューを前半に、その内容を更に詳しく知りたい人のレシピを後半にまとめる提言もされていました。

この辺りが、SNSの言論の世界で多くの人から支持される要因だと思います。

改革のセンターピン ベーシックインカム

改革のセンターピンについての竹中さんの説明も理解しやすい内容でした。

世の中には、変えなけらばいかに内容がたくさんあり、本当は全部変えてほしいけれど全部変えるのはリアリスティックではありません。

そこで大切なのは、最初に何をやるべきかというでこれはボウリングのセンターピンみたなものです。

かつて、小泉政権時、竹中さんは小泉首相に「なぜ郵政民営化を最初にやるのか」と訊いたそうです。

その時の小泉首相の回答はわかりやすく「それは政府系の機関で、40万人を抱える最も大きい機関でこれを変えることで波及効果がある」という回答でした。

このような戦略的アジェンダが大事で今回の二人の対談で共通するアジェンダがベーシックインカムでした。

ひろゆきさんの考えるベーシックインカムは国民全員に月7万円支給し、医療費などの社会保障は減らさず別の財源を持ってくるという考えです。

今の日本人にとって生活しなきゃいけないという理由で、給料の安い仕事に就いている人が多いという見解です。

その結果機械化が進まず、企業の生産性が低いという問題が解決しない状況です。

安い人件費で働くかわりに知識やスキルを得て生産性の高いことにシフトする方向に持っていくほうが先進国としての利益率が高いと考えています。

まとめ

本書の冒頭でひろゆきさんが、過去25年間、日本政府と日本経済を思うがままに操ってきたと言われる竹中先生と紹介しています。

多くの人がマスコミが創り上げる政治家のイメージの影響を受ける事は否めません。政策に賛否があり誰もが痛みなく改革出来ることもありません。

竹中さんは自らが大衆から嫌われる要因を分析し2つの要因を挙げています。

1つは、土建会社や農業の既得権益を持っている人たちやその片棒を担ぐ官僚という認識です。小泉と竹中が諸悪の根源あいつらが弱者を切り捨てているというレッテル。

もう1つは、他の人にどう思われても関係ないという思いと自分が正しいと思うことをはっきりと言ってしまうことだと本人は認識されています。

ひろゆきさんは、時代によって礼儀作法が違うことを述べています。

竹中さんがお金持ちでないという発言が誤魔化しているように取られてしまい、今の時代大衆が思う価値観のお金を持っているのであれば「お金たくさんある」と発言する方が受け入れやすいという認識です。

私自身もマスコミの情報を全て信じる訳ではありませんがバイアスがかかることはあるので、2つの主張があれば論点を整理し、どちらかが正しいだけでなく価値観の多様性として違う意見にも耳を傾けたいとも思います。

二人の日本の未来への政策提言は実現が困難なものも多いですが、大きな変化が必要な時期であるのは間違いないと思っています。

竹中さんが勧められるように、ネットでクールなコメントをするひろゆきさんに、国会の本会議場で熱っぽく政策を提唱してほしいものだと思いました。

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