このブログ「介護役立情報」では、事業所選びや介護に携わる仕事についても紹介しています。
今回は厚生労働省が3月25日に発表した今年度の第34回介護福祉士国家試験結果を紹介します。
介護福祉士とは
介護福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」にもとづく国家資格です。
介護福祉士は、同法第2条第2項において『介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう。』と位置づけられています。
介護福祉士資格の取得方法
次の1.から4.のいずれかの方法で介護福祉士の資格を取得し、介護福祉士として登録することにより、介護福祉士を名乗ることができます。
- 高等学校又は中等教育学校卒業以上の者で、指定養成施設を卒業し介護福祉士国家試験に合格した者(養成施設ルート)
- 3年以上介護等の業務に従事した者で実務者研修を修了し介護福祉士国家試験に合格した者(実務経験ルート)
- 高等学校又は中等教育学校(それぞれ専攻科を含む。)において福祉に関する所定の教科目及び単位数を修めて卒業し、介護福祉士国家試験に合格した者(福祉系高校ルート)
- 経済連携協定により来日した者で、3年以上介護等の業務に従事した者で介護福祉士国家試験に合格した者(経済連携協定(EPA)ルート)
なお、介護福祉士資格の取得は法改正により、国家試験合格が必須とされていますが、「1.養成施設ルート」においては、2026(令和8)年度までの間、以下の経過措置が設けられています。
指定養成施設卒業から5年間、暫定的に介護福祉士資格を付与し、その間に以下のいずれかを満たせば、その後も引き続き介護福祉士資格を保持することができることとする。
- A. 卒後5年以内に国家資格に合格すること
- B. 原則卒後5年間連続して実務に従事すること
介護福祉士資格は、介護を必要とする方がたのさまざまな生活行為・生活動作を支援し、支える知識と技術を有する介護の専門資格として認知されています。
介護福祉士の受験状況
今年度受験者数は8万3082人で合格者数は6万99人でした。
合格率は前回より1.3ポイント上がり、過去2番目に高い72.3%です。
合格者数が6万人を上回るのは3年ぶり。合格率の過去最高は2018年度の73.7%
介護福祉士の国試は、2016年に大きな変更があり、それまでは、実務経験3年で受験資格があったところ、現場で研鑽を積みながら資格を目指す「実務経験ルート」の要件に実務者研修が必須ななりました。
実務者研修はスタート当初費用も20万を超し働きながら受講する受講時間もネックとなりました。
その要因もあり、2016年度から、受験者数が一気に半減した経緯があります。
介護事業所においては、介護福祉士の配置により提供体制加算が上位で算定できることもあり、実務者研修受講に関してサポートしている事業者も多くなっています。
また、実務者研修もスクーリング以外オンライン学習で研修費用も以前のヘルパー2級取得よりも安価で開講もされるようになっています。
今年度の合格者の男女別内訳は、男性の合格者が29.0%、女性合格者が71.0%でした。
受験資格別にみると、上記の4つコース別にみると
- 指定養成施設を卒業し介護福祉士国家試験に合格した者(養成施設ルート)は7.8%。
- 3年以上介護等の業務に従事した者で実務者研修を修了し介護福祉士国家試験に合格した者(実務経験ルート)は全体の8割超え
- 高等学校又は中等教育学校(それぞれ専攻科を含む。)において福祉に関する所定の教科目及び単位数を修めて卒業し、介護福祉士国家試験に合格した者(福祉系高校ルート)は3.8%
- EPA(経済連携協定)の枠組みで来日した外国人は、受験者1014人のうち374人が合格。合格率は前回より9.3ポイント低い36.9%
やはり現場経験を積んだ後の受験者数が圧倒的に多く、EPAで来日した外国人の合格率が低いのは言葉の壁もあるように思います。
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