このブログ「介護役立つ情報」では、事業所選び・介護の仕事や介護に関わる情報を紹介します。
今回は介護保険サービスでは補えない家庭でのお困りごとを解決する家事代行サービスについて紹介します。
介護保険制度の成り立ち
家庭での介護は家族が行ってきた時代が長く続きましたが、日本全体の人口減少と、世帯人数が減少する中家庭での介護が難しくなりました。
また、世界でも例のない超高齢化社会と人口減少に対応する社会保障制度として、2000年に介護保険制度が始まりました。
以下は厚生労働省示す介護保険制度の導入の基本的な考え方です。
【背景】
○ 高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズはますます増大。
○ 一方、核家族化の進行、介護する家族の高齢化など、要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況も変化。
○ 従来の老人福祉・老人医療制度による対応には限界。
「単独世帯」「夫婦のみの世帯」「ひとり親と子から成る世帯」が増加し,「夫婦と子から成る世帯」「その他の一般世帯」が減少する.
すなわち単純で小人数の世帯が増加することが,平均世帯人員の縮小と対応している.
1995年から2020年の間に,「単独世帯」は1,124万世帯から1,453万世帯へ,「夫婦のみの世帯」は762万世帯から1,069万世帯へ,「ひとり親と子から成る世帯」は311万世帯から462万世帯まで増加する.
一方,同じ期間に「夫婦と子から成る世帯」は1,503万世帯から1,304万世帯へ,
「その他の一般世帯」は690万世帯から597万世帯へと減少する.
国立社会保障・人口問題研究所
介護保険制度のしくみは高齢化の進む日本では必要不可欠なサービスとしてこの20年で成長しています。
成長と伴に、高齢者人口の増大で介護保険サービスで提供できるサービスが年々減少しています。
例)要支援・要介護1~要介護5→要支援1・2・要介護1~5 要支援者のサービス料の大幅削減
公的介護保険サービスの不足感
住み慣れた我が家で生活を継続していく為の制度としての介護保険サービスは現在、必要最低限介護のみを提供できる制度に変わってきています。
平たく言えば「自立した生活をするうえで必要な最低限のサービス」といえます。
例えば、訪問介護の生活援助に「調理、洗濯、掃除」といったサービスがありますが、これはご本人にのみ提供できるサービスであり、同居する家族の分まで提供することはできません。
具体例で言えば老夫婦世帯で夫が要介護状態で妻が自立の場合、訪問介護で食事準備:食材の買い物代行から調理、配膳、片づけまでを依頼した場合は夫の分だけ調理するようになります。
以下のようなサービスは介護保険サービスでホームヘルパーが提供できません。
生活に支障をきたさないと判断されている例です。
・家具の移動や電気器具の修理
・床のワックスかけ
・窓のガラス拭き
・家具の修理
・庭の草むしり
・ペットの散歩、など医療行為にあたるもの・インスリンの注射
・経管栄養
・点滴、たんの吸引
・摘便や床ずれの処置、など本人以外の方に対する行為・家族の分の食事を作る
・家族の部屋の掃除や衣類の洗濯などの家事代行
・家族の子供の面倒をみる
ご高齢の夫婦ふたり暮らしの場合要支援状態であったとても食事が惣菜など中心で家庭ごみが多くなったり、掃除など家庭環境を衛生的に保つには支障をきたす場面も多くあります。
また、介護保険サービスで一回30分程度のサービスを週に1~2回という頻度では、どうしても不足感が否めないのが現実です。
家事代行サービス
そんな時にうまく活用したいのが介護保険外サービス(以下、保険外サービス)です。
利用時間・頻度・サービス内容など、保険制度で縛られない柔軟な使い方ができる点が特徴です。
都市部と地方とではサービス内容に違いはありますが保険外サービスを利用される方は増えていっています。
ただし高齢夫婦ではそのような便利なサービスがあったとしても、ネット活用などできずサービス導入まではサポートが必要です。
息子や娘など若い世帯に迷惑を掛けたくないという思いの方も多く実家帰省時などに少しサポートするだけで住み慣れた家で住み続けることは、可能になります。
おぼえておきたい!保険外サービス3つの特徴
保険外サービスが、介護保険サービスと異なる点が大きく3つあります。
①サービスの提供時間
介護保険の訪問介護サービスは一回当たりの利用時間等が定められ、時間内にサービスだけを提供して帰ることも少なくありません。
これに対し、保険外サービスを提供する多くの事業者では一回1~2時間というゆとりをもった時間設定となっています。
そのため、時間に追われることなく、じっくりとコミュニケーションを交わしながら作業に当たることができます。
また見積もりを無料で行う代行サービスもあります。
親切・丁寧なサービス「ベンリー」はお勧めです。研修制度もしっかりしていて安心で人柄のいいスタッフが多いです。お近くにあれば是非一度問い合わせしてみて下さい。
デメリットとしてはお困りごと解決のプロフェッショナルが対応しますので、時間単価は少し割高です。安心料と思える方は見積もり問い合わせは無料ですのでお試し下さい。
②サービスの内容
例えば通院の付き添いであれば、往復の移動時間、院内の待ち時間、診察、会計などを考慮すると、一回で2~3時間かかることも珍しくありません。
通院は長時間となり、また待ち時間等により時間が前後する事があるため、介護保険では利用限度を超えてしまう事が容易に予測されるため、おおよその場合はケアプラン(介護サービス計画)に含んでもらうことが出来ません。
通院などの他にお墓参り、冠婚葬祭への参列など私的な外出の付き添いは訪問介護のサービス対象外となりますが、保険外サービスであればそうした制限はなく自由にご利用いただけます。
地域の介護タクシーを個人経営されている方に相談してみましょう。担当ケアマネが地域の介護タクシーを紹介してくれます。
出来れな帰省時など一緒にサービス事業者と面談すればサービス導入も安心されます。
③サービスの対象者
介護保険サービスの対象者はあくまで認定された本人のみです。
同居する家族が高齢であったとしてもサービスを提供することはできません。
例えば、先程紹介したように「老夫婦の食事もつくってほしい」「家族の部屋の掃除もしてほしい」といった希望にも柔軟に対応できる点が保険外サービスの特徴の一つといえるでしょう。
介護保険の様に1割負担で安価にサービスを受けることは出来ませんが週に1回~2回時間を使いサービスを受けると仮定すれば、トータル的な満足度は高いと思います。
費用相場とよく利用されているサービス内容
保険外サービスは、文字通り介護保険を使わない自費利用となり、その価格は地域性によっても変動します。一時間あたりの価格をまとめてみました。
大都市圏(東京・大阪) 3000円~6000円
政令指定都市 2700円~5000円
そのたエリア 2200円~4500円
因みに先程紹介したベンリーは出張料3000円+1時間4000円がベースです。都市部では一般価格ですが、地方では少し割高です。
また、過疎地域において異動時間がかかる地域では代行サービス自体がない地域もあります。そのあたりは地域コミュニティを活用する方法がベストです。
最も多い利用用途は家事全般
要介護の方が最も多く利用されているサービスは「家事(掃除、洗濯、片付け)」。です。
その他には「通院の付き添い」「買い物の同行・代行」、さらに「料理」という順序でした。
通院に関しても要介護認定者は介護タクシーが活用できますが要支援者は自費の為、通院のニーズは高まります。
また、介護保険の訪問介護では、要介護者が家族と同居している場合、生活援助サービスが使えないこともあるため、保険外サービスとしてニーズが顕在化していると考えられます。
介護認定を受けられるまでの高齢者世帯の潜在的なニーズは様々です。
身近に高齢夫婦で住まわれている方がおられる場合は早めにサービス事業者を探しておくことをお勧めします。
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