このブログ「介護役立つ情報」では、事業所選びだけでなく介護の仕事に興味を持たれた方にも求人サイトが伝えない情報をお伝えしています。
コロナ禍における介護職の有効求人倍率について
有効求人倍率とは、求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す指標です。
厚生労働省が出している「一般職業紹介状況(令和2年11月分)について」によると、介護サービス職の有効求人倍率は3.88倍となっています。
全職業の有効求人倍率が1.06倍のため、介護職の有効求人倍率は非常に高いことがわかります。
具体的には、1人に1社求人がある場合、有効求人倍率は1倍になります。(求人数100、求職者数100の状態が1倍)
そのため、介護職の有効求人倍率3.88倍は、1人の求職者に3~4社の求人がある状況です。
介護職の人員不足は2030年の高齢者数のピークに合わせて施設整備計画を各自治体が行っていて供給料の増大に雇用が追いついていない状況です。
女性の職種としては既に医療・介護分野がトップの状態ですが、今後の10年の高齢人口増大に向けて更に必要な状況です。
有効求人倍率が高ければ、求職者にとって就職や転職先の選択肢が多いので「売り手市場」と言われています。
つまり、求職者が就職や転職をしやすい状況にあるということです。
売り手市場の時期は、人材の獲得競争で他社に負けないために、業界未経験者でも高待遇で採用している企業が多いのが特徴です。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年11月分)について」via https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000707922.pdf
コロナ失業支援に介護分野参入支援
対人サービス業の飲食・旅行・小売り職種が外出自粛要請等で大きな売上不振に陥る中、現在は財政出動で一時的に凌いでいる状況です。
既に脆弱な企業体は雇用を守ることが難し状況もあり、全国で10万人以上の失業者がでている状況です。
このような状況も踏まえ、菅義偉首相は12日の衆院・決算行政監視委員会で、コロナ禍で仕事を失った人などを介護業界へ招き入れる施策について言及しました。
「できる限り参入してもらえるよう、様々なメニューや仕組みを進めていきたい」と公明党の伊佐進一議員へ答弁しました。
介護業界に人材を呼び込む施策として国は、新たに介護職となる未経験者に対し、1人あたり最大で20万円を貸し付ける制度を創設する予定です。
自治体の任意事業として今年度から開始しますが、既に自治体独自で実施している自治体もありますが、活用が進んでいない状況です。
介護現場に2年間従事すれば、貸し付けたお金の返済を全額免除する設計です。
このほか、介護現場を離れている有資格者が再就職するケースで最大40万円を貸す制度もあります。この制度も2年間従事すれば返済は全額免除されます。
以前介護福祉士の資格取得の為の教育費用にも同様の施策がありました。
公明党の伊佐議員は、こうした制度が国民の間で十分に知られていないと指摘し厚生労働省などに周知の徹底を促しました。
あわせて、”2年間従事”という現行の縛りが制度活用の妨げになっているとして、1年間に短縮することを提案。
「1年間でも働けば、『やりがいのある仕事だな』と思ってもらえるのではないか。コロナ禍のピンチをチャンスに変えられないか」と進言した。
これを受け、田村憲久厚労相は「様々な施策を展開しつつ、しっかりとPRしていきたい」と回答。
菅首相は、「介護は人手不足が著しい分野。働きたい人が意欲を持って働けるよう、処遇改善や職場環境の整備、介護の魅力の発信など、総合的な取り組みも進めていきたい」と述べた。
以上が国会答弁の要約です。
政策誘導の実効性
周知に関してや2年縛りを1年への変更等公明党伊佐議員の提言は、未経験の方が介護の仕事を始める動機付けになると感じます。
長く業界の動きを観察する中、高齢者人口が急速に伸び続ける状況で慢性的な介護職不足は続いています。
2000年の制度開始時、リーマンショックによる不況下などで一時期改善した時期はありましたが基本的には不足傾向にあります。
少子化人口減少もあり、人手不足の業種は多くありますが、サービス提供に際して人員基準が設けられた介護事業は基準遵守の為の派遣・人材紹介経費が経営を圧迫している状況も発生してきています。
ある程度人員配置を事業者の裁量に任せばより効率的な運営が出来る可能性があります。
しかしながら、性悪説から悪意のある業者が社会的弱者である要介護者のQOLを無視したサービスを提供する事を恐れ進めれない現実もある様に思います。
質の高いサービスを目指し、テクノロジーを活かし働く職員の満足度も高める必要があります。
介護保険制度導入時期は参入障壁を下げ多くの事業者が参入してきました。
日々進歩する状況化で変化に対応できない事業者の統廃合やフランチャイズ化により一定のサービスを担保しながら来る2030年に対応する必要があると思います。
Quality Of Life(クオリティ オブ ライフ)の略で、日本語では「生活の質」や「生命の質」と略されます。1946年にWHOが「健康とは、身体的、心理的、社会的に良好で安定した状態であり、単に病気がなかったり病弱でなかったりすることではない」と提唱したことに端を発し、生活の質を求めることは、社会的な人間として健康的な生活を送る上で欠かせないもの、とされています。
生活の質を考慮するとき、様々な側面から多角的に人間の生活を捉える必要があります。
具体的には、
・身体的に満足な活動が行えているか? 経済的にはどうか?日常的に行う作業に精神的に満足感があるか?周囲の人間関係はどうか?適度に新しい環境に身をおいているか?
などです。
http://kango.medi-care.co.jp/blog/61 メディケア・リハビリHp参照
介護の仕事の可能性
現在も続くコロナ禍においてエッセンシャルワーカーについて耳にする機会が多くなりました。
エッセンシャル(essential)とは「必要不可欠」とか「本質的なさま」といった意味をもっています。
このエッセンシャルという言葉に、「労働者」の意味をもつワーカー(worker)を組み合わせた言葉が「エッセンシャルワーカー(essential worker)」です。
生活必須職従事者とも呼ばれるエッセンシャルワーカーに勿論介護の仕事も入り、コロナ禍という異常事態時においても生活を支える為に「必要不可欠」な仕事です。
感染対策として人との接触機会を避けるよう要請があったとしても避けることのできないサービス職種でもあります。
昨年の初の緊急事態宣言下では、学校教育もストップし介護職員の家庭でも職場と家庭生活の両立に難しい時期もありましたが、優先的にサービスが再開された職種でもあります。
このブログでは介護の仕事の職種別の仕事内容や就業する上で有利な資格など紹介しています。
賃金等の処遇も徐々に改善されているので安定とやりがいを求める働き方としてはチャレンジするのみ魅力のある職種です。
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